■表紙 題字:、年次報告2024、2025年6月発行 特定非営利活動法人自立生活センターすてっぷえどがわ イラスト:、宇宙の惑星の周りにダンサナクセイバーのムジとピンクとお茶の瑞江博士がいる ■目次 01.あいさつ  3 02.にせんにじゅう年度事業報告    ①自立支援事業   1)ピアカウンセリング講座  5   2)自立生活プログラム ILP 8 3)自立生活体験ルーム やってみーな 12 4)よろず相談 なんでも電話相談・個別相談  13 5)自費による介助派遣  14 6)当事者コラム せきぐちさとし、セッキーの喝、自分で考えることを、忘わすれるなー  15 ②権利擁護事業 1)全国キャラバン、すずねがいく キリン福祉財団助成合理的配慮啓発事業  16   2、重度訪問介護利用者の権利擁護  1.介助が必要な重度障害者だって当たり前に就労したい  19 2.介護保険移行問題と医ケアのない障害者の時間数交渉の課題  22 ③普及啓発事業 1)すてっぷの防災に関する取り組み  23 コラム、事務所内避難訓練・雑記  24 2、地域へのアプローチ 1.ダンサナクセイバー活動報告 漫画・バリ演  26 2.学生へのアプローチ、大学講義  27 3.チャレンジ・ザ・ドリーム、職場体験  28 4.江戸川さんしょうがいフォーラム  30 5.江戸川区特別支援学級学校進路フェア  33 6.地域生活支援拠点等の体制整備始動  34 7. パルレ共同勉強会、法律、条約について 3 つのセミナー  35 3)当事者参画、当事者の声を届ける 1.東京都相談支援従事者研修検討会と江戸川区地域自立支援協議会  37 2.情報保障のあれこれ  38  4、国際協力事業 1. モンゴル研修 じる・じゃいかNGO型提案プログム  39 5)イベント 1.お花見とクリスマスパーティー  45  2.映画上映会 大空へ羽ばたこう  46 3.バリアフリー演劇 星の王子様  48  6)広報活動の報告  50  7)外部との連携、啓発活動  51  1.イベント、行事 2.検討会、委員会、地域連携業務など 3.視察、見学、研修、勉強会など 4.講師派遣、出前授業 5.取材、インタビュー、ヒヤリング 6.その他 ④障害福祉・介護保険事業 1)利用者数、ヘルパー登録数、派遣時間数  59  2)ヘルパー研修会  59  3)利用者さん、紹介 1.やなぎたあすむさん 61  2.きしろかなえさん  62  4)ゆーは何しにすてっぷへ? ヘルパー紹介 すがわられんさん  63  5、人材確保の取り組み  64  03.その他 1、期待の新人紹介、 やまだめい、なかやなつみ  66  2、2024活動報告・2025活動方針・2024会計報告   68 3、会員制度ダンサなくし隊の紹介隊員募集!  79 ■3~4ページ タイトル:ごあいさつ 執筆者:理事長 いまむらのぼる すてっぷえどがわを設立して22年目の2024年は、こうしともに忘れられない出来事に見舞われた一年でした、さまざまなお心遣い、ご支援をくださった皆様に、この誌面をお借りして改めて感謝申し上げます。 この22年の間に、すてっぷえどがわにとって印象深い年、ターニングポイントを迎えた年というのはいくつかありました。 そういう意味ではすてっぷえどがわにとって直接的な出来事というより、私個人及び全国団体ジルの活動にて大変な一年だったという意味ですが、間接てき、とはいえ、ある意味すてっぷえどがわにとっても大きなターニングポイントとなり得る状況となった年になったことは確かだと思います。 インパクトいう意味では、ぶっちぎりで妻の急逝ですが、すてっぷえどがわが加盟していて、私が副代表を務めた全国自立生活センター協議会の運営をめぐる一連の騒動は、妻の急逝と全く無関係とは言い難く、自分自身の不甲斐なさ、やるせなさ、切なさとうとう、悲観的な言葉を挙げ連ねたらこうじえんだけでは不十分なほどの言葉、感情が溢れ出します。 その一方で、妻が居なくなってしまったが故に、嫌でも規則正しい生活リズムになり、その結果、ここ数年来続いていた体調不良も改善され始め、新たな一歩が踏み出せたことも確かですので、いやはや、なんとも言葉では言い表せない複雑な心境です。 考えてもきっとぴったりの言葉は見つかりそうにないので、この複雑極まりない心境のまま、天寿を全うするしかないと思っています。 ただ、妻の存在がなければ、私は障害者の自立生活運動の世界に入ることはなかったでしょうし、そもそも障害者になってなかった可能性もあるので、そうなると江戸川区に住んでいなかったでしょうからすてっぷえどがわも誕生していなかったことでしょう。 全国団体の活動などもっとあり得ません、そう考えると、すてっぷえどがわを通じて、今、私と関わってくださっている多くの皆さんとの出会いもなかったはずなので、すてっぷえどがわをはじめ、今の私の環境を形成したのはほぼ亡き妻のゆり子様ということになります、(この体型もゆり子様のせいですから) 本当に人の縁とは不思議なものです。妻のゆり子様が亡くなって10ヶ月ほど。未だ心の整理がついたとは言えませんし、心境をうまく言い表す言葉も見つかっていません。 ただ、私の人生は、こうした波瀾万丈な人生となる運命だったんだろうと考えるようになりました。 運命と言ってしまったら「自分ではどうすることもできないもの」と捉えて諦めに近い心境かと思われるかもしれませんが、そうではありません。 奇しくも重度訪問介護従事者研修で私がずっと言い続けていた言葉。 もと、だいリーガー松井ひでき氏の高校時代の部室に掲げられていた言葉の言う運命です。 心が変われば行動が変わる 行動が変わると習慣が変わる 習慣が変わると人格が変わる 人格が変わると運命が変わる そう!心の持ちようで運命は変えられるのです。 残りの人生、運命を良きものにするためのスタートラインにつかせてもらった2024年度でした。と、この世をさる間際に思えますように、アーメンそうめん味噌ラーメン、歳がバレますな、隠してもないけど。 イラスト:お茶の瑞江博士とバリバリアン。 ■5ページから7ページ タイトル:2024年度事業報告①自立支援事業、ピアカウンセリング講座 執筆者:ひるかわりょうこ 表タイトル:開催実績2024年4年から2025年3月 表:カウンセリングの名称、期間・内容と実績。   名称は、集中講座、ビギナーズ、体験セミナーの3つ。   集中講座は、2泊3日、6日間、障害のある人のみ参加できる初心者コース。   第1回ピアカンとは   第2回人間の本質   第3回感情の解放   第4回障害について   第5回ILPとロールプレイ   第6回サポートグループとアプリシエーション   参加者5名 場所:江戸川区東部区民館   ビギナーズは、半日、障害のある人のみ参加できる体験コース、1回、江戸川区東部区民館、参加者4名。   体験セミナーは、半日、障害のあるなしに関わらず参加できる体験コース、開催なし。 コロナ前の2019年に開催したきり、開催ができていなかった集中講座ですが、2024年度は、CILふちゅうの堀内万起子さんと秋元妙美さんに協力いただいて、実に5年ぶりに集中講座を開催することができました! 江戸川区内外から週1回通って参加してくれた5人の仲間ととても良い時間を共有することができました。 以下、参加者の感想 自立生活センターひがしやまと、星野えり 自立生活センターで働いている以上いつかは講座を受けなければと思いつつ、カウンセリングなんて自分には必要ないと思っていたし、知らない人といきなり講座を受けていろいろな話を共有するなんて無理だと思っていましたが、今回すてっぷえどがわさんで開催されると知って全然知らない人ばかりでないし勇気を出して申し込みしたのがきっかけでした。 いざ講座を受けてみると、最初はとても緊張していましたがピアカウンセリングについて勉強しながら参加者の皆さんと話してみると、相手の話を否定せずにただ聞くだけでいいという事とか、時間を対等に取る事とか自分に出来ていない事ばかりでした。 仕事中人と話す機会が多いので会話をする際はカウンセリングで学んだ事を思い出して気をつけるようになりました。 自分の障害について、悲しかった事など、普段は自分の中だけで閉じ込めておくことの方が多いのですが皆さんに聞いてもらってとてもスッキリしました。 この場だけだと思うと安心して自分の気持ちを話すことが出来ました。 年齢も障害も性別も違う人たちでしたが、講座を重ねるたびにお互いの事が分かって来て最後にはとても仲良くなれたことがとても嬉しかったです。 またプライベートでも一緒に話がしたいなと思いました。 ピアカウンセリングを最後まで受講できた事は自分の成長につながったと思います。お世話になりました、ありがとうございました。 嶋村 まさし 講座で一番印象深かったことは、五つの「人間の本質」です。自分が足りないのは「人間は、知識に満ちている存在」と「人間は、創造性にあふれている存在」の2点と感じました。 しかし講義の中で『本来この五つは生まれつき持っているが、成長していく過程で失ったと感じることが多いです。しかしそれらは欠落したのではなく、傷つくことで隠して気づかないようになっています』と教えていただきました。 その後のセッションで隠した感情と向き合い、想いを聴き・話すことで、自分が持っている本質に改めて気づき、自分を好きになること・認めること・さらに成長するために足りないものはなにか考えることができました。 無くしたものがどこへ行ってしまったかを探したり新たに手に入れる努力をするのはとてもむずかしいですが、ずっと継続して持っているのにただ気づかないように自分が本質を隠していたとわかり驚きと共にココロが穏やかになりました。 様々なテーマについてセッションを繰り返す中で仲間の経験や考え方やその根っこにある感情など、自分だけでは知り得ないことがわかり知見や感情の幅がとても広がりました。 いい・わるいや賛成・反対の二元論ではなく、淡々とお話しや感情や想いを聴くことの大切さとココロが通じ合うことのうれしさありがたさを学ぶことができました。 これからは自分のさらなる成長はもちろんのこと、他の方のお役に立ちたいチカラになりたいと思いますので、ピアカウンセリング勉強とセッション実践を重ねていきます。貴重な機会をいただきありがとうございました。 写真:ピアカン参加者10名の笑顔の集合写真 イラスト:ナクセイバームジとピンク、バリバリアン ■8ページから9ページ タイトル:2024年度事業報告①自立支援事業、自立生活プログラム ILP 執筆者:ひるかわりょうこ 表タイトル:2024年4月から2025年3月までの実績 表:内容と実績回数。   一人暮らしのイメージをするための体験ルーム利用の準備と振り返り、合計3回、継続   ヘルパー獲得のためのチラシつくり、ビラ配り、不定期、合計6、継続   一人暮らしのためのいえ探し、気持ちの整理、月1から4回、合計29回、【継続】   一人暮らしのイメージ作りをするための体験ルーム利用の準備と振り返り【新規】、合計2回   一人暮らしをするためのイメージ作り【新規】月1回 、継続】   一人暮らしに必要なことを一緒に考えたり、一緒に経験したりするのが自立生活プログラムです。2024年度も個別プログラムのみ実施しました。 年間を通して5名のかたとILPを行いました。一人暮らしへ踏み切るタイミングは人それぞれ。障害者が自立への道のりで、何よりも大変なのは、親や支援者の心配からくる介入に振り回されず、自分はどうしたいのかを自覚していくことだと思います。 そんなときは先にいろいろな経験をしているロールモデルの存在は大きいものです。 すてっぷえどがわの当事者スタッフも、一人暮らしを始めた理由や親との関係はそれぞれ違います。 自分以外の人の経験をたくさん聞いていくことで自分のことを振り返れるのもILPの特徴で、それは時間がかかることでもあります。 また、ヘルパーを獲得すべく、みずからチラシを作り、配ることも自立生活の一部なので、事業所に頼るばかりではなく自分専従のヘルパーを獲得したいという人にはチラシ印刷やビラ配りの協力もしています。 ■9ページ タイトル:水曜どうでしょう 2024年度は、やってみたいことに加えて、すてっぷのイベントに寄与しようをコンセプトに活動をしました! 表:活動月と内容。   4月、ピアカン集中講座開催のためお休み   5月、さんしょうがいフォーラムのLGBTQイベント、パレード用のレインボー飾り作り   6月、おしゃべり企画会議   7月、お出かけ、葛西臨海公園水族館がまさかの休園で、イクスピアリ散策へ急遽変更   8月、(もくDO)フルーツポンチ作り、年次報告2023の封入作業、ピアカンビギナーズ開催   9月、3月に作った墨解禁あんど習字、ヘルパー募集ちらし折り   10月 お隣さんからいただいた生地を使って何を作るか企画会議、クリスマス会の参加者へのプレゼントとして巾着を作ることに   11月から12月 裁断から手ぬい、ミシンを駆使して巾着25個制作、12月14日のすてっぷのクリスマス会のビンゴ景品に   1月、書初め、バリアフリー演劇のロビーでお披露目    2月、花がみを丸めて貼り絵アート、バリアフリー演劇のロビーでお披露目、さらに3月9日の進路フェアのコーナー飾りに活用、バレンタインデーチョコクランチバー作り、バリアフリー演劇会場のための花飾り作り   3月、利用者Hさん秘伝レシピを使ってとん汁作り ■10ページから11ページ タイトル:2024年度すいDO活動報告 執筆者:くどうとしこ 2024年度は外部イベントや他の事業と重なり、お休みとなる週も多く、毎週の開催は叶いませんでしたが、それでもプログラムがある日は毎回参加者が集まってくださいました。 特に調理プログラムは人気が高く、参加者同士で教え合ったり助け合う様子も見られてとても良い雰囲気で行うことが出来ました。 そして昨年最も印象深かったプログラムは何と言っても7月のフィールドトリップ。 ちょうど学校の夏休み期間ということで、普段はなかなか参加できていなかった小学生の子たちも参加してくれました。 ですが、こちらの確認ぶそくで、当初行く予定だった葛西臨海水族園は定休日でした。 現地に着いてからもんが閉まっていることに気づき、「ガーーーン」と青ざめた時のことは今でも忘れられません。 本当に申し訳なく、参加者の皆様にはこの場を借りてお詫び申し上げます。 ただ、そのまま帰るのは寂しすぎるので近場で行けるところがないか検討したところ、舞浜のイクスピアリでも良いのではとなり、急遽行き先を変更させてもらいました。 突然の予定変更が苦手なかたもいたので心配も少しありましたが、特に問題なく過ごせたようで、逆に参加者の皆様に助けられました。 みんなでウィンドウショッピングをしたりアイス等を食べて過ごし、なんだかんだ楽しめていただけたようで良かったです。 色んなハプニングもありつつ、「ま、いっか」と笑って許せる気軽さがすいどぅの良いところだなぁと改めて実感しました。 今後もすいDOでは様々な企画を考えていきますので、興味のある方はぜひゆるっとご参加ください。 写真:イクスピアリのディズニーストアの前でみんながピースしている集合写真。 写真:山盛りのスイカの前で嬉しそうにピースするA君。コーディネーターたちもA君の後ろでピース。 写真:一人暮らしの先輩Sさん宅でタコパしている様子。自立に向けたアドバイスもいただけました。 ■12ページ タイトル:2024年度事業報告①自立支援事業、自立生活体験ルームやってみーな 執筆者:ひるかわりょうこ やってみーなは、自立生活を目指す障害者が、地域内にあるマンションにて、実生活体験をすることのできる場所です。 部屋には電動ベッドやトイレ・浴室用のリフトの他、ミニキッチンや洗濯機も設置されています。 ILPを通して、自分に必要な介助内容を確認したり、実際に福祉機器を使ったり、普段は家族や施設職員に任せがちな家事の経験もできます。 また、ILP目的だけでなく、体験ルームに設置しているリクライニングベッドを利用してみたい、といらしたかたや、コロナ自粛が無くなり、イベントが多数再開する中、ホテルのバリアフリールームが足りず、困っている人への利用提供もしました。 表タイトル:2024年4月から2025年3月までの利用実績。自立生活のための利用3名、1回の平均利用日数3日 表:利用月、利用人数、利用日数。   4月、1名、11日    5月、1名、4日   6月、3名、10日   7月、0名、0日   8月、1名、4日   9月、1名、3日、ILP以外の利用1名、4日   10月、1人、6日   11月、0名、0日   12月、1人、3日   1月、1日、3日   2月、0名、0日   3月、0名、0日 ■13ページ タイトル:2024年度事業報告①自立支援事業、よろず相談(なんでも電話相談)・個別相談 執筆者:ひるかわりょうこ 表タイトル:よろず相談から個別相談(面談対応)した実績、(2024年4月から2025年3月) 表:相談者と相談内容・回数。   女性50代、身体、障害のある人同士で話がしたい、2回。   男性30代、身体、特定疾病のため介護保険申請の通知が来たが、障害特性上、介護保険に移行したくない、2回。   女性20代、身体、自立したい。仕事がしたい。何ができるか試したい。2回すいどぅメンバーに。   男性50代、身体、一人暮らしのイメージをするために体験ルームを見学したい、1回。   女性30代、身体、生活介護の生活は物足りない。自分の世界を広げてみたい、1回水どぅメンバーに。   女性40代、身体、自薦ヘルパーの登録について知りたい、1回。   男性50代、身体、じょくそうが治らなくて仕事に行けなくなり将来が不安。生きる気力がわいてこない。2回。   女性20代、身体、東京に出て一人暮らしがしたい。   女性20代、身体、自立について話を聞いてみたい。1回。   男性20代、身体、施設を出て江戸川区に戻りたい。1回。   女性20代、発達障害・身体、進路の相談、1回、すてっぷのテイカーになりました。   女性20代、身体、進路、就職の相談。1回。   女性20代、身体、行政が重度訪問介護の支給決定をしてくれないが、どうしたらいいか。1回。   女性20代、身体、一人暮らしを見据えた自薦の使い方について。 ■14ページ タイトル:2024年度事業報告①自立支援事業、自費による介助派遣 執筆者:ひるかわりょうこ 表:利用した人数、15名、(うち3名はあいえる対応)   派遣時間数、1338.5時間、(うちあいえる対応20.5時間) すてっぷえどがわでは、十分な支給決定がされず不足する介助時間、障害福祉サービスで認められていないけれども障害者の生活にとって必要不可欠とされる事柄に必要な介助派遣について、自費による介助派遣を行っています。 また、一人暮らしを目指して体験ルームを利用しながらヘルパー利用の体験もおこなう人向けに、IL用の派遣も行っています。 イラスト:ダンサナクセイバーのムジとピンク、お茶の瑞江博士 ■15ページ タイトル:2024年度事業報告①自立支援事業、せきぐちさとし、セッキーの喝、自分で考えることを忘わすれるなー 執筆者:せきぐちさとし 写真:クリスマスパーティーで、せきぐちが、5当のタコ焼き機のプレゼントを持っている。 最近、妙な気持ちがする。 テレビなどのマスコミの偏向報道は信じられないと言っている人たちが、ユーチューブなどのネット動画やえっくす、などの、えすえぬえすの情報を無ひはんに信じているのが、僕には不思議でならない。 いくらマスコミに偏り、間違いがあるとしても、ネット動画やSNSで、マスコミが隠している真実を知りました。というコメントを見るたびに不思議な気持ちになる。 ネットの情報にも偏りや間違いがあるのに、それを無視してネットの情報だけを信じてしまっているのが、僕には理解できない。 今の若い世代は、テレビや新聞を見ずにネットでニュースを得るという。そして、彼らはえすえぬえすの自分好みの情報だけを受け取ってしまいがちになる。 そして、同じ意見を持つ仲間とだけつながることで、自分たちの意見が多数派だと思いがちになる。 それは自分たちとは異なる考え方を排除する動きへとつながりかねない。 今、根拠もないのに、ネットの情報によるインバウンド外国人、移民、女性、高齢者、障害者、LGBTQといった少数派叩きと国民の保守化が目に付く。 日本だけでなく、海外でも移民政策の失敗とともに、えすえぬえすの影響で米国トランプ政権の再選や欧州の保守政権が台頭するなど、世界的に思想の保守化の動きが止まらない。 人類の多様性を失わせかねない、この流れに僕たちは注意していかなければならない。 ■16ページから19ページ タイトル:2024年度事業報告②権利擁護事業、全国キャラバンすずねがいく、キリン福祉財団助成合理的配慮啓発事業 執筆者:なかそねすずね 2024年4月から民間も合理的配慮が義務化になったものの、世間的にまだ知られていない印象があり、そもそも合理的配慮という言葉も浸透していないように感じていたことと、車いすユーザーに対する配慮もですが、聴覚・視覚・知的障害の人などへの合理的配慮は特にまだ知られていない部分が大きいなというふうにも感じていました。 そういった啓発に加えて私たち当事者もどのように働きかけや交渉をしたらよいのか、もっと視野を広げるためにもいろんな障害種別の人や、CILのスタッフ、地域の人が集まって、ワークショップを中心におこなっていこうという企画を1年かけておこないました。 前半は計画づくりや各地との打ち合わせをおこなって、実際に回り始めたのは9月になってからでした。 翌年3月までの間で、南は沖縄から北は北海道まで23か所で勉強会を開催することができました。 様々な障害種別の仲間たちと一緒に回り、地域の人たちとの交流も大事にしながら身近に感じることで合理的配慮のことを自分事として学ぶ時間にするということを心掛けておこなっていきました。 今回のような企画を続けながら小さな変化をたくさん起こしていく、そうすることでいずれは地域や社会が少しずつ良くなっていく、微力ながら私自身も引き続き精いっぱい活動していきたいと思います。 すてっぷのスタッフも情報保障のサポートや、啓発活動のために順番に同行してくれました。 以下、同行したスタッフの感想 1.やまだめい、宮崎・鹿児島・大分 宮崎・鹿児島では、すずねさんだけでなく発達・視覚・重複障害といった当事者の方々が登壇しました。 それぞれのかたが、それぞれの言葉で自分の困りごとや合理的配慮について話してくれた後、それを聞いていた手話に興味のある一般のかた,行政のかた,他のCILの車椅子ユーザーなどにグループワークをしてもらったりして感想をお聞きしました。その時の感想を少しご紹介します。 ●手話やってみたいって人がグループにいて、ここでやってるよと手話の輪が拡がりました。 ●合理的配慮ってしなければならないって押し付けられてるように感じてたけれど、もっと双方向的なものなのだと心が軽くなった。 ●CILだけじゃなく、もっと地域のいろんな人にこそ、この話を聞いてほしい。 これって凄いことだなと思います。 合理的配慮という出始めたばかりの、使い方が浸透してない、難しそうな言葉をテーマにした話。 それがこんなふうに、周りの人たちに温かく伝わったのは、本人達の言葉だったからだなと思いました。 専門家や政治家の方達にはできない、当事者の言葉だからこそ生んだ共感力だと思います。 もっともっと、いろんな方々に皆さんの言葉を聞いてほしいです。すずねキャラバンはまだまだ続く。乞うご期待です。 2.たなかあさみ、愛媛・山口・静岡・大阪 今回たくさんの場所に同行させていただき、私は各地で「すてっぷでの情報保障の取り組みについて」をメインにお話しさせてもらいました。 スタッフもまだまだ完璧といえるほどの取り組みではないですが、聴覚障害を持つすずねがすてっぷに来てから、どうしたら聞こえる人と同じ情報量を伝えることができるのか、鈴音自身が「困っていること」、「こうして欲しい」を伝えてくれ少しずつサポート体制が整ってきていることを伝えさせていただきました。 各地では、障害種別様々な当事者がどういった配慮が必要なのか、知ってほしいことをそれぞれの立場でお話していただき、私は今回のキャラバンで「当事者が伝えることの重要性」、「知らなかったことを知る場」、「広い視野で興味関心を持つこと」、「自分がその時何が出来るかを考え行動する力」がとても大切なのではないかと学ばせていただきました。 また各地に足を運ぶことでたくさんの方たちとの出会い、繋がりも実感させていただきました。 なにより各地の方々にご当地の名産品などたくさん食べさせていただき、毎回それが楽しみになっていたのも正直な感想の田中です。 3.ぬのかわゆう、名古屋・沖縄 私は2月に名古屋キャラバン、3月に沖縄キャラバンに同行させていただきました。 どちらの会にも、CIL関係者だけではなく、近所の方や教育に関わる方など立場も様々で、それぞれの経験から考える『合理的配慮』に、なるほどなぁとすごく勉強になりました。 人生の出会いの中で、この人のために何ができるかなーなんて考えるところから合理的配慮って生まれるんだなと感じました。 答えがあるものではないからこそ、多くの人の声を聞くことができるキャラバンには大きな意義があったと思います。 また、なかなか他のセンターに遊びに行かせてもらう機会も少ないので、現地での空気感も感じながら交流できたことはすごく貴重な経験になりました。 どちらも駆け足滞在になってしまったので、また遊びに行きたいなー。 これからも仲間たちと切磋琢磨しつつ、柔軟な気持ちで、たくさんの人との出会いを楽しみたいなと思います。すずね、お疲れ様。 4.おかもとりな、長崎・千葉・大阪 キャラバンの最初と最後、そして生まれ故郷の千葉に同行させていただきました。 佐世保バーガーの代わりに某ハンバーガー屋さんに行ったり、千葉にあるのに東京ドイツ村に行ったり、弁慶さんに大阪横断ドライブしてもらったり。 そんなこともありつつ、どこの場所に行っても変わらず思うことは、なにが正解かではなくて、様々な当事者からの話をきき、みんなで顔を見合わせて考えること、この過程こそが大切なのだなということです。 そのキャラバンを一緒にしたみなさんでその大切さ伝えていきたいなと思います。様々にご協力してくださった方、本当にありがとうございました。 楽しかったです。次のタイトルは、すずねゴーネクストかなぁ。 5.おおたきりょうこ、茨城 会場はつくば市役所に併設されている場所。 こちらの最寄り駅はつくばエクスプレス、研究学園駅です。 2005年開通と新しい駅。広くフラットな建物や空き地も多くこれからの街づくりに期待できそうだと感じました。 つくばで登壇されたのはすずねちゃんのほかに、八王子聴覚視覚障害者サポートセンターの伊藤薫さん、視覚障害のかたです。 参加者はCIL関係の人だけでなく、市役所職員、議員さん、当事者のかた、当事者家族のかたなど様々な参加者で会場がいっぱいに。 当日印象に残ったことは、グループワーク内で出たすずねちゃんの「こうわ」についてです。 同じグループになった女性議員さんが、「こうわができるとコミュニケーションが取れていいですね。」と話が出ました。 正しく覚えているわけでなく、こんな話でした。 私もすずねちゃんを知らなかったらおそらくそう思っていました。 でも、こうわはとても疲れること。技術を取得するための大きな負担。 それらを聞いていた私は、「それは相手に一方的に努力を求めているのではないでしょうか。」と話をしました。 同じグループにいた当事者男性も「合理的配慮があれば、そういった一方的な努力を強いらなくてもいいということですよね」といった話が。 女性議員さんもハッとした様子。 その後も話は盛り上がり、つくばの参加者たちは合理的配慮についその後も話は盛り上がり、つくばの参加者たちは合理的配慮について真摯に考えているのだなと思え、やはりこれからの街として期待ができると感じました。 瑞江も負けてられないなぁ。と、いい刺激になったすずねがいく、合理的配慮キャラバンインつくばでした。 写真:自立生活センターむちゅうの居酒屋ごりらのお店。後ろの壁に大きなゴリラがビールを片手に持っている絵が描かれている。その前で、すずねキャラバンに参加した数十名がこぶしを挙げて記念撮影をしている。 写真:ゴリラの絵の前でリードオンと書かれた横断幕をすずねと今村、すてっぷのスタッフ2名が持っている。 ■19ページから21ページ タイトル:2024年度事業報告②権利擁護事業、重度訪問介護利用者の権利擁護 介助が必要な重度障害者だって当たり前に就労したい。 執筆者:くどうとしこ 重度訪問介護等、訪問系の福祉サービスは、厚生労働省告示523号によって就労・修学・政治活動等の外出に対して利用が制限されており、介助が必要な重度障害者が就労する際の足かせになっています。 理解のある雇用ぬしであれば、職場に介助者を用意してくれたり同じ職場の従業員が手伝ってくれることもあるかと思います。 しかし、雇用側の事業規模によっては介助者を雇う人件費を賄うことが難しい、他の従業員が本来の業務の合間に手伝ってもらうことでお互いの負担になってしまう等現実的ではなく、よっぽどラッキーなケースでないと重度障害者が職場介助を付けながら就労するということは難しい状況でした。 そうした状況を打開しようと障害当事者をはじめとする人々が声を上げ続けており、現在はまだまだ数は少ないものの、いくつかの自治体で就労支援事業が誕生しています。 江戸川区でも令和5年より江戸川区重度障害者等就労支援事業がスタートし、就労中の介助利用が公的に認められるようになりました。 江戸川区の場合は、以下の要件をすべて満たしている江戸川区民が対象となっています。 1、重度訪問介護、同行援護、行動援護のいずれかの支給決定を受けているかた。 2、間企業に雇用されている、または自営業を営んでおり(個人事業の開業届出をおこなっている方または法人の代表者等)、就労の継続のために本事業の必要性が見込まれること。 3、1週間の所定労働時間が10時間以上であること。ただし、民間企業に雇用されているかたで、1週間の所定労働時間が10時間未満であっても、当該年度末までに当該企業が10時間以上に目指すことが関係者による支援計画書によって確認できる方を含む。 私自身もこの要件に当てはまるため、利用してみることにしました。 申請から利用までの流れをざっくり書くと、①区の身体障害者相談係へ連絡、②必要書類提出・申請、③支給決定、④介助派遣事業所と契約・利用開始という感じですが、私の場合は①から④までに約半年かかりました。 というのも、この制度は、民間企業に勤める場合、企業が独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の「障害者雇用納付金制度に基づく助成金、ジード」を活用して業務上必要な支援を行うことが前提となり、ジードと江戸川区それぞれに提出書類を準備しなければならない等、非常に手続きが煩雑で難しく感じました。 また、無事に支給決定がおりたとしても、介助を引き受けてくれる事業所は自分で探さなければなりません。 障害者総合支援法のサービスに比べて報酬単価が低いことから、なかなか受けてくれる事業所が見つからないといった課題もあります。 また、朝起きてから出勤準備までは重度訪問介護、出勤して勤務している間は就労支援事業、退勤後はまた重度訪問介護というように、別々のサービスと使い分けながら生活することのやりにくさも感じました。 サービスごとにヘルパーや事業所が入れ替わることもあり得るため、急な事情で仕事を休むことになった時や残業・早退等で予定が変わった場合に対応が難しいことも考えられます。 とはいえ、様々な課題はありつつも重度障害者が就労中も介助を受けられるようになってきた動きは大変喜ばしいことであり、歓迎すべき取り組みだと思います。 今後、残された課題をクリアしながら全国どこで暮らしていても同様のサービスが受けられるように普及していって欲しいと願っています。 そして、これまで介助が必要なことを理由に就労を諦めていた方々もやりたいことを諦めることなく活躍できる社会にしてけるよう、引き続き取り組んでいきたいと思います。 写真:令和インタビュー:厚生労働省告示523号の撤廃を求めて今村理事長がれいわ新選組のインタビューを受けている様子。 写真:就労支援事業:江戸川区重度障害者等就労支援事業の内容。江戸川区公式サイト「江戸川区重度障害者等就労支援事業」ページより抜粋 ■22ページ タイトル:2024年度事業報告②権利擁護事業、重度訪問介護利用者の権利擁護 介護保険移行問題と医ケアのない障害者の時間数交渉の課題 執筆者:ひるかわりょうこ 2023年度の年次報告で、65歳を迎えたSさんが、介護保険を申請しないという選択をした、という報告をしました。 さて、その後Sさんがどうなったか。その後も介護保険の利用を迫られるということもなく重度訪問介護のみで生活を継続できています。 その後、特定疾病に該当するということで40歳を目前にしたAさんに、介護保険への移行連絡が来て、生活が一変してしまうのではないかという不安に陥っていたAさんからSOSが入りました。 Aさんの担当の相談支援専門員と介護保険に移行した場合の変わること、変わらないこと、を確認し、相談員に不安の中身を理解してもらった結果、不安が解消されるまでは、介護保険には移行しないという選択をすることができました。これは、Sさんの介護保険は選択しない、という行動が影響しているのではないかと思います。 Sさんの話に戻ります。 Sさんは65歳になった後も、重度訪問介護のみで生活ができていましたが、Sさんにとってはそもそも時間数が足りません。 体力が低下し、自分で寝返りが打てなくなったSさんは日中だけでなく夜間介助の必要性を訴えていましたので、2024年度は増量申請をしました。 結果は日中の介助時間が微増しましたが夜間の介護は認められません。 Sさんは、希望する時間数が獲得できたら介護保険への移行の検討も始めても良いと思っていましたが、希望する時間数が獲得できていないので、移行の検討よりも時間数を獲得するためにはどうしたらよいかの行動を続けました。数か月後、同じく夜間の介護の必要性が認められず、毎年増量申請するも獲得できなかったIさんと一緒に、区長への手紙を出した結果、区との話し合いの場が設けられました。 区としては重度訪問介護のみの増量はできないが、生活介護等、日中活動を利用するならば、個人の努力として認めて増量も検討したいという話がありました。 この回答を皆さんはどう思われるでしょうか? SさんとIさんは、最大限生活介護を使うという、区の提案に歩み寄ることを選択しました。 生活介護を使うと、やりたいことを尊重してくれる生活介護だったりしても、やはり日中の自由が奪われます。 江戸川区に限らず、重度訪問介護の支給決定は年々渋い結果しかでないという自治体が多くなっているという話も聞きます。 時間数が欲しい、ではなく、自分に必要な時間数をどう行政に伝えられるか。 自立生活を継続するために、どのサービスを使っていくか、重度訪問介護だけに頼らない生活は、その人らしい生活を奪わないでいられるのか、これからも考えていくのが自立生活センターの使命なのかなぁと思う次第です。 とりあえず、これで終わり。来年には続きません。 ■23ページから26ページ タイトル:2024年度事業報告③普及啓発事業、すてっぷの防災に関する取り組み 執筆者:いちかわひろみ 昨年まで大規模水害に関する取り組みに力を入れてきたすてっぷですが、今年度は能登地震の事もあり、基本に戻って震災時の取り組みに力を入れる事としました。 まずは5年ほど前から作成を進めていた「災害時個別支援計画」の見直しを検討しました。 今まで紙に記載したものを提出いただいて事務所で保管する事としていましたが、5年も経過すると様々な状況が変わっている方も多く、数年ごとに書き換えるのもお互いに負担になる事、また、古い情報ではいざ災害が発生した時にてきかくな支援が出来なくなる事、保管している事務所が被災して情報の確認が出来なくなる可能性がある事などから、データ保存して変更は各自で随時可能になる方法に切り替えました。 また、介助者の方にも改めて災害時の稼働状況を確認するアンケートを行ないました。 これらの情報をもとに10月に「災害対策本部立ち上げ訓練」大地震が発生した想定でシフトの調整などの訓練を内々で実施しました。 そして1月21日、午前10時、震度6の首都直下型地震が発生した想定で、利用者さん、介助者さんも巻き込んで「安否確認」や「災害伝言ダイヤル」を試してみたり、事務所ではライフラインが全て不能という事で室内の電気や暖房を消し、トイレも断水のため非常用トイレを試してみたり、非常食で炊き出し、ポリ袋でご飯を炊くなどの訓練を実施しました。実際に訓練してみた感想と気付きは以下のようなものです。 「災害伝言ダイヤル」の事は知っていたけれど実際に試したのは初めてで試せて良かった。 昼間でも電気がないのは暗く感じた。 手元のライトなども用意しておいた方が良い。 寒さ対策が出来ていない。使い捨てカイロを備品に追加。 各自ひざ掛けなどを用意。長年備品として保管していたアルミシートが臭かった。 サーバーがダウンしていない想定でシフト調整などを行なっていたが、実際にはパソコン頼りのシフト調整、安否確認等が可能なのか?代替え手段を検討。 非常食は思いの外おいしく食べられた。温かくて良かった。 非常用トイレは本来1枚の袋に薬剤を入れて数回利用するが、不特定多数が使用するので1回ずつ処分するよう小さめの袋を用意する事とした。 災害対策本部として何をすべきか、誰もが把握しておく事は難しいが、災害が発生した時にマニュアルを読み返している場合ではない。 「災害時アクションカード」という行動1つを1枚のカードに記載したものの作成を検討する事に。次年度の検討課題。 じ年度は更なる取り組みとして、災害をより自分事としてとらえられるように、7月に大地震の被災当事者の方のお話を聞く機会を設ける事、被災体験として「東京そなえりあ」へ行く(8月19日)などを検討しています。 その上で、前述の「災害時アクションカード」の作成をおこなっていく予定です。 また、大規模水害時についての検討もさらに進め、集団広域避難先の確保に向けて少しずつ行動していこうと考えています。 タイトル:事務所内避難訓練をとおしてその1 執筆者:おおたきりょうこ 写真:事務所で市川が当事者スタッフの工藤の膝にアルミの防寒シートをかけている。 1月21日冬の晴れた日に事務所内で避難訓練を行いました。実際に災害が起きたときの動きの確認のためです。 事務所では停電が起きたことを想定して、電気は使わないという形で行われていました。 当日は(途中で介助に出てしまったので私はすべて行わなかったのですが)、シフトの確認、お昼には防災食の試食、トイレでは水を流せない想定の防災トイレなどです。 晴れた日の日中とはいえ、真冬。 暖房もない事務所内は本当に寒く、ヤバイ、身の危険を感じるほど。 そこで防寒シート、(銀色などの寒さ対策のシート)を備蓄品から出し、使ったところ、めちゃくちゃ臭い。 カビ臭がします。寒い、臭い、寒い、臭い。気を取り直して昼食の準備。 お湯を沸かして、防災時のお米の炊き方、防災食のおかずの選択。 どのような食品か確認をしようとしたところ、字が見えない。薄暗い室内で細かい文字が読めないという衝撃。 訓練を通して思ったことは、必ず避難訓練に参加した方がいいということ。 冬の事務所内があんなに寒いと思わなかった。防災用のシートが劣化するとは思わなかった。 薄暗い室内で字が読めないなんて思わなかった。わずかな時間で様々な気づきを得ました。 今後、冬場はホッカイロ持ち歩こう。防災シートは定期的に確認をしよう。 ライトの付くモバイルバッテリーを持ちあるこうです。 皆さんもぜひいろいろな避難訓練を経験してみてください。面白い発見がたくさんある問思います。 タイトル:事務所内避難訓練をとおしてその1 執筆者:わだまさひろ 写真:机の上に大型鍋や缶詰めがある。その周りで5名のスタッフたちが鍋で炊いたお米をほおばる。 「防災」という言葉を考えると気が、重くなるというかた、多いのではないいでしょうか? もちろん僕もその一人です。生命にかかわる深刻な事態なんて考えたくもないですよね。 しかしそんな状況だからこそ、少しでも明るい気持ちを持つことが必要だと思います。 たとえば食事。避難で暗い気持ちの時、暖かくておいしいものが食べられたら、きっと気持ちが落ち着くことと思います。 2025年1月21日、すてっぷの事務所にて防災対策の一環として、炊飯器を使わない、簡易的な飯盒炊爨のようなものを体験しました。 カセットコンロで鍋に湯を沸かし、ビニール袋にコメと水を入れて湯煎で米を炊くというもの。 こんなに手軽に炊飯ができるのかと出来上がりに若干の不安がありましたが、心配は無用でした。 ついでに鍋に入れて温めていた缶詰をおかずにおいしくいただくことができました。 改めてインターネットで検索してみると、「ポリ袋ご飯」なるものがいくつも紹介されています。 鍋に直接ビニール袋を入れると溶けてしまうので耐熱皿を鍋底に敷く、米と水を30分ほどおいてから炊き始めるとおいしくなるなどなど、様々な工夫が凝らしてあります。 これを被災時に食べられたら、と想像するととても心強いです。 一方で食料や燃料などのローリングストックを最後に確認したのはいつだったかと改めて気づかされました。 定期的に意識を改めることで、緩んだネジを巻きなおすのが大切ですよね。 いつか来るかもしれない苦しい時、下を向いてしまうときのために、前を向く準備を今のうちからしておこうと思います。 ■26ページから27ページ タイトル:2024年度事業報告③普及啓発事業、地域へのアプローチ、ダンサナクセイバー活動報告 執筆者:いけがみゆたか 2025年2月22と23日、バリアフリー演劇鑑賞会を開催しました。開催に向けてクラウドファンディングもおこないました。 ご協力いただいた方々に厚く御礼申し上げます。ダンサナクセイバーは劇団「風」さんのバリアフリー演劇の前座として今回も出演させて頂きました。 観客の皆様が安心して自由に楽しめる空間を作り出す劇団「かぜ」さんの演劇を参考にし、ステージ上だけでなく会場全体を巻き込むシナリオにしたところおお盛り上がり、前座の役割を無事果たす事が出来ました。 劇団の方々や観客の皆様にも沢山褒めていただけたのが嬉しかったです。そして、待望のダンサナクセイバーの漫画本が出来ました。 「バリアフリー戦隊ダンサナクセイバー(情報保障編)」。すごい、なんてすごい漫画が完成してしまったんだ。 この漫画は2024年2月のバリアフリー演劇で行った前座のナクセイバーショー(情報保障編)のシナリオがもとになっております。一度は読んでいただきたい。あなたの人生を変える一冊。 この漫画の売り上げはインクルーシブな社会を目指す為の活動に使われます!ご興味がある方は是非すてっぷえどがわまでお問い合わせ下さい。 写真:ステージの上にダンサナクセイバーと手話通訳者が並んでいる。左から全身黒タイツを着たバリバリアン、白衣を着たお茶の瑞江博士、深い緑色のシャツを着た手話通訳者、全身ピンクタイツを着たナクセイバーピンク、全身白タイツを着たナクセイバームジ。 写真:ダンサナクセイバー漫画の表紙。タイトルは、バリアフリー戦隊ダンサナクセイバー。原作はすてっぷえどがわ。漫画作成者は、つぐみっこ。ダンサナクセイバーのムジとピンク、博士のイラストが中央に書いてある。左下にすずねのキャラクターがいて、情報保障編と書いてある。 ■27ページから28ページ タイトル:2024年度事業報告③普及啓発事業、地域へのアプローチ、学生へのアプローチ 執筆者:なかそねともあき すてっぷえどがわでは、毎年、障害当事者である私たちが、小学生から大学生の皆さんに向けて授業をおこなっています。 中でも大学生向けの機会が多く、私自身も2024年度は、医療系学部で学ぶ1年生、理学療法士や作業療法士を目指す学生さんたちに複数回講義をしました。 私が、けいずい損傷ですが、どのような障害があると思いますか。と問いかけると、皆さんはまだ学び始めということもあり、少し困惑した表情がとても初々しく印象的でした。 授業では、依頼いただいたテーマに加え、「自立生活センターってなんだろう?」ということから、私がじゅしょうしてから自立生活センターに出会うまでの道のり、そして現在、どのような介助サービスを利用して地域で生活しているのかを、当時の写真も交えながら詳しくお話しします。 特に重視しているのは、施設ではなく住み慣れた地域で、自分らしく暮らす障害当事者のリアルな生活を知ってもらうことです。これにより、将来皆さんが医療現場で働く際に、より実践的な視点を持ってもらいたいと願っています。 また、授業の中では、障害者が地域で生活する上でヘルパーさんの存在がいかに重要であるかを伝え、授業の最後にはヘルパーのアルバイト募集の案内もさせていただいています。 現在も、看護学生や理学療法・作業療法を学ぶ学生さんたちが、アルバイトとして私たちの自立生活を力強く支えてくれています。 写真:白のケーシーを着た学生約20名の前で車椅子ユーザーの利用者とそのヘルパー、すてっぷスタッフが発表をしている。 写真:学校の駐車場。中曽根が、自分の車の助手席のドアを開けて説明している。車の周りで数人の学生と先生が話を聞いている。 ■28ページから29ページ タイトル:2024年度事業報告③普及啓発事業、地域へのアプローチ、チャレンジ・ザ・ドリーム 執筆者:いけがみともこ 江戸川区ないの全中学校の2年生を対象として実施されている職場体験「チャレンジ・ザ・ドリーム」で、2024年度は1月23日から1月29日の土日はさんで5日間、瑞江三中の生徒さん4名が来られました。 昨年から職場体験の学生と当事者スタッフとの関わりが持てるよう、利用者宅の見学は当事者スタッフの自宅でおこない、普段介助者を利用している時と同様、食材を買いに行き、自宅にて利用者からの指示を受けながらの調理体験も行いました。 すてっぷえどがわで行っている「重度訪問介護従業者養成研修」内容の一部、ボディメカニクスや着替えの介助方法、車いす操作方法やガイドヘルプの体験もしてもらい、すてっぷえどがわの特徴である「自立生活とは」、「情報保障とは」、「インクルーシブとは」、などについて当事者スタッフから説明。難しい内容もあったかと思いますが、とても真剣に聞いておりました。 2月に行われた「バリアフリー演劇鑑賞会」の準備もお手伝いいただき、案内表示のポスターや、ダンサナクセイバーの応援グッズも制作してくれ、どれも素敵なものが完成し演劇鑑賞来場したかたたちからも「かわいい」、「すてき」と言ってもらえました。 柔軟性のある年齢だからこそ、ありのままを受け止めて、たくさんのことに関心を持ってくれた瑞江第三中学校の生徒さん。 短い期間でもSTEPえどがわで過ごした職場体験が将来の仕事に関わる上で役立つ事となれば幸いです。いつか日間本当にお疲れ様でした。 執筆者:いけがみゆたか 瑞江第三中学校から4名の生徒がチャレンジザドリーム(職場体験)ですてっぷえどがわに来ました。 障害を持つ当事者との関わりの中で感じる事も多かったようで、しっかりと障害当事者の話を聞き、何事にも積極的に取り組んでくれました。 生徒が車椅子のキャスター上げ練習をしている時、丁度、学校の先生が生徒の様子を見に来ました。「今、教えた通りに先生やってみて下さい」なんて無茶振りをしてみたらノリの良い先生で生徒と一緒にキャスター上げをマスターしていきました。 こうやって地域で繋がれる機会があるのもなんだか良いなぁ、と感じる出来事でした。この様な機会を大事にしていきたいです。 写真:利用者のキッチンで中学生2人がじゃがいもの皮をむいている 写真:中学生2人が公園内を車いすを押して歩いている後ろ姿 ■30ページから32ページ タイトル:2024年度事業報告③普及啓発事業、地域へのアプローチ、江戸川さんしょうがいフォーラム 執筆者:ひるかわりょうこ 2024年度もすてっぷえどがわは、江戸川さんしょうがいフォーラムのメンバーとして、定例会への参加、イベントを通して江戸川区ないのつながりを楽しみました。2024年5月17日「第2回多様な性にイエスの日カウントダウン2024」 船堀スポーツ公園から船堀駅北口までパレードしたあと、船堀駅前広場でのステージにナクセイバーが出演、マルシェでは、「いちや限りの手話っとホットドック」と題して、手話を使ってホットドックを買ってもらうお店を出しました! うれしい効果。さんしょうがいフォーラムにはこれまで、聴覚障害のある会員がいなかったため、情報保障の環境が整っているとはいえませんでしたが、マルシェでのすてっぷの活動に江戸川区、ろう者協会の方々が関心を持ってくださり、さんしょうがいフォーラムに入会してくださることになり、以後、定例会には手話通訳者が必ずつくという嬉しい変化がありました。 写真:パレードの先頭の人が、レインボーの生地に「さんしょうがいフォーラム」と書かれた横断幕を持っている。その後ろをレインボーの旗をもった人たちが行進している 写真:すてっぷのスタッフ数人がイベントテントや机にチラシを貼って準備をしている 写真:ダンサナクセイバーのショーをしている。左から全身白いタイツの「ムジ」、ずずね、手話通訳、車椅子に乗っている「お茶の瑞江博士」、全身ピンクタイツの「ピンク」が並んでいる 写真:いちや限りの手話っとホットドッグとかかれ、や犬とダンサナクセイバーのキャラクターの写真が貼られている看板。 写真:日が暮れた中、テント内でホットドッグを販売しているすてっぷスタッフたち 写真:ホットドッグを豪快に食べているお茶の瑞江博士こと、土屋 写真:ホットドッグを食べようとしている今村をすてっぷのスタッフが見ている 写真:ライトアップされた船堀タワーの前でダンサナクセイバーとすてっぷのスタッフで記念撮影 2025年2月7日。令和6年度さんしょうがいフォーラム勉強会。「アドラー心理学から学ぶ 幸せに生きるコミュニケーション」 講師は、こじまふみあつ氏。 アドラー心理学は、勇気づけの心理学、対人関係の心理学ということで、人は他者との関係の中で自己肯定感をどう獲得して幸せに生きていくか?というお話は、ピア・カウンセリングで伝えていることにも通じるものがあるなぁと思いつつ、児島さんの話自体が聞いている人を元気にさせる勉強会でした。 すてっぷえどがわは、文字通訳の協力もしました。児島さんは、発達障害当事者でもあって、とても話上手で、かつ早口で有名な人ですが、必死でついていくテイクメンバーの努力に気づいていただいたようで、途中からはテイクへの配慮をしていただけました。 写真:会場の入り口に貼ってある勉強会のチラシ 写真:十数人の聴講者の前で登壇している児島さん、右には文字通訳のスクリーン ■33ページ タイトル:2024年度事業報告③普及啓発事業、地域へのアプローチ、江戸川区特別支援学級学校進路フェア 執筆者:原嶋健太郎 写真:ブースの設営をしているいけがみともこ、原嶋、ブースの後方にはポスターが掲示 写真:ステージで話をしている蛭川、ステージ横にはスロープが設置されている 令和7年3月9日、タワーホール船堀にて第2回「江戸川区特別支援学級・学校進路フェア」が開催されました。このフェアは、江戸川区ないの小中学校に設置された特別支援学級・教室に在籍する児童生徒およびその保護者、特別支援学校高等部に在籍する生徒およびその保護者、未就学児の就学について悩みを持つ保護者、教職員、関係団体職員などを対象としています。 主催の江戸川区ししぼねで、365日体験型子ども食堂を運営する「らいおんはーと」さんにお誘いいただき、昨年度に引き続き今年も出展しました。 すてっぷは出展ブースに蛭川・工藤が作成してくれたポスターを掲示、登壇タイムに代表しゃが活動紹介などをしました。昨年は登壇ステージに段差があり車椅子では上がることができず、それを踏まえて今年度は事前に交渉を行い、スロープを用意していただいたおかげで、ステージ上にて話す蛭川を見ることができました。 このフェアでは、江戸川区の特別支援学校や通信制の学校、様々な団体の活動を知ることができ、交流の場としても非常に有意義なものとなりました。 昨年度はあまり当事者のお子さんや親御さんと話す機会が少なかったのですが、今回は積極的に声かけをして、興味を持ってブースを覗いてくれた方々と関わることができました。 来年度も開催予定ということで、私たちも空気感が掴めて来ているので次回はさらにより良いものにしていきたいと考えています。 ■34ページから35ページ タイトル:2024年度事業報告③普及啓発事業、地域へのアプローチ、地域生活支援拠点等の体制整備始動 執筆者:ひるかわりょうこ 江戸川区でも地域生活支援拠点等の整備に向けた議論が始まりました。 漢字だらけで、いったい何のこっちゃ、と全く頭にはいらない人だらけかと思いますが。苦笑。2024年度から江戸川区が目指し始めた動きなので、ぜひご注目ください。 ◆地域生活の支援拠点等、略して「拠点等」。 果たして何の「拠点」なのか、説明をしてみたいと思います。 拠点等、それは、障害のある人が住み慣れた地域で安心して暮らせるように、必要な支援を提供する拠点や人々です。 まず、「障害のある人が住み慣れた地域で安心して暮らす」というのは、 ・重度化しても暮らせる ・親亡き後も暮らせる ・入所入院している人も地元に戻って暮らせる。(地域移行) ということを指しています。 これを実現するために、 ・医療的ケアや強度行動障害のある障害者に対応できる人 ・(もともとは自立していても加齢により障害が重度化した)高齢障害者に対応できる人 つまり、スキルや経験のあるヘルパー増やしたり、こうした障害者を一時的に受け入れられる場所も確保していきたい。 こうした人(ヘルパーや支援者)や場所が増えていくと。 ・親元から自立する障害者を増やせる。 ・障害者の介護を担ってきた親が病気になったり、介護ができなくなった時にも対応できる。 ・退院たいしょを希望する障害者を地域に戻ってきてもらえる。 という地域が実現できるかもしれない。 この一連の流れの支援を担うのが「拠点等」です。 拠点等は、地域で作って(整備して)いきます。地域の実情は地域ごとに様々なので、拠点等の在り方は、いっかしょ(多機能拠点整備型)でもいいし、複数かしょ(面的整備型)でもいいと、厚生労働省は示していて、江戸川区は、面的整備型を目指すことになりました。 目指すといってもどこからどのように。 拠点等のイメージは、2024年度の江戸川区自立支援協議会に設置された地域生活支援拠点等部会の中で、協議会委員に加えて、区内の各種連絡会の代表者なども加わり、議論が重ねられました。 ・誰がどのように関わるのか。 ・緊急時の対応や体験。(地域移行)はどのように進められるのか。 例えば、身体知的の仲間の緊急時の対応は現在も、支援ハウスや区役所が対応していますが、それを地域で担うとはどういうことなのか。江戸川区の社会資源を最大限活用してどのようなことができるのか、イメージがある人ない人、ばらばらな状態から少しずつ課題を整理する作業を7回に渡る部会を通じて行った2024年度でした。 当初は、2025年4月にスタートすることを目標にしていましたが、議論を重ねる中で、1年では難しいとなり、半年遅らせて2025年の7月の開始を目指すことに。 また、江戸川区は地域も広いため、エリアを分けて、まずは葛西エリアをモデル地域としてスタートして、段階的に他のエリアでも展開するという方向で、2024年度は終わりました。 この原稿を書いている段階(2025年5月)では、まだ、拠点が担う支援の流れ(フロー)や、拠点等の登録手続きについてははっきりと示されていません。 予定どおりには行かないかもしれませんが、今も区ないでいろいろな人が拠点等事業を実現させるために集まって議論を重ねています。 STEPえどがわも東部地区の一員として、また、一人でも多くの仲間の自立生活を実現するためには、拠点等が担う地域づくりが欠かせないという意識のもと関わっていきたいと思います。皆様もぜひご注目ください。 ■35ページから37ページ タイトル:2024年度事業報告③普及啓発事業、地域へのアプローチ、パルレ共同勉強会、法律、条約について 3 つのセミナー  執筆者:パルレ代表、さいがたかこ 浦安市パルレのさいがです。パルレは医療てきケア児やその家族を中心に活動している団体です。 昨年、すてっぷえどがわさんに共催いただき3つのセミナーを開催しました。7月に『合理的配慮』、10月は『障害者権利条約』、最後の12月には『医療てきケア児支援法』の3つで、「聞いたことはあるけれど、よく知らない」法律や条約をまず知ってもらいたいと思い、千葉県で情報保障付きオンライン併用で開催しました。 『生活クラブエッコロ福祉助成きん』をいただき、“よしやるぞ”という意気込みとは裏腹に、情報保障もオンラインも知らないことばかり、焦りました。 「テキストファイルって何。」恥ずかしながらそんな状態だったのです。 結局、オンラインはジルの方に助けてもらい、手話通訳も交代要員の方の費用が必要であること、パソコン文字通訳はすてっぷえどがわさんがテイカー不足の中、担っていただくことでなんとか開催することができました。 バタバタの運営でしたが、セミナーはそれぞれ実りがありました。 1回目は一般社団法人ユニバ、野口あきなさんから「合理的配慮」についてお話しいただき、すてっぷえどがわさんの「ダンサナクセイバー」を上映後、自分ごととして「社会的障壁」を考えるシナリオ作りを行いました。 参加者の発表は当事者側だけでなく、悪役のバリバリアンの話しが出て、ハっとさせられました。 2回目の「障害者権利条約」ではNPO法人DPI日本会議のさいたかのりさんとすてっぷえどがわ工藤としこさん等から、“地域の交差性”というキーワードと共に、第一回建設的対話時のジュネーブでの様子をお話しいただきました。「条約」は実生活では馴染み薄いものですが、一人一人の「声」が影響していること、伝えることの意味や大切さをお話しいただきました。 3回目の「医療てきケア児支援法」では千葉県医療的ケア児等センター佐藤いくお様、すてっぷえどがわ市川ひろみさん等お話しいただき、佐藤さんには地域の小学校に医療的ケア児が通うためのサポートについて、市川さんからは地域で医療てきケアのある人が暮らすために必要な、ヘルパーの喀痰吸引制度が広がらない問題をお話しいただきました。 各3回ともパルレ会員の医療てきケア児の家族もお話し、障害種別を超えたごちゃまぜの開催でした。このセミナーを通し、情報保障を必要とする人の存在を感じることができ、参加者の皆さんと一緒に学び合えたことに感謝いたします。 写真:左から、登壇している今村と野口あきなさん 写真:左から、登壇している工藤と、さいたかのりさん 写真:左から、登壇している市川と、ぱるれのかたや医療てきケア児の支援をしているかた ■37ページから38ページ タイトル:2024年度事業報告③普及啓発事業、当事者参画、東京都相談支援従事者研修検討会と江戸川区地域自立支援協議会 執筆者:ひるかわりょうこ ①東京都相談支援従事者研修検討会 検討会委員4年目。 2024年度も、相談支援専門員の初任者研修の中身を検討する初任研チームに所属し、チームリーダーを拝命し7日間にわたる初任者研修全体を俯瞰するという、重責を担うことに。 さらには、研修の国研修にも参加する機会をいただき、所沢のこくリハに3日間通いました。 東京都以外の相談支援専門員の方々に出会え、学び合う機会は貴重でしたが、しんどかったぁ。頭からぶすぷす煙を出しながらりょうこよく頑張った!自分をほめてあげます。 当事者が計画相談を担うということ。 2024年度は私自身が現任者研修を受けなければならないこともあり、国研修と併せて、2件、自分が担当するケースを課題で取り上げ、俯瞰してみるということができたのは、その後の動きを整理できてありがたい経験でした。 当事者が、相談支援を行うとき、ピアなので、気持ちの寄り添い、共感はすぐにできますがその分、気持ちが近くなりすぎて、うまくいかない事態が発生すると、利用者さんのしんどさにシンクロしてしまい、自分自身もしんどくなりそうになります。 でも、相談員は、うまくいかないときこそ、目線を変えて、理由を考え、アプロ―チの仕方を変えてみる。 できていることとできていないことを整理する。それの繰り返しなんだということを、研修で教わることができました。 ②江戸川区地域自立支援協議会 協議会委員2年目。 1年目はどんな発言をしたら良いのか、常に緊張して可能な限り発言原稿を用意して臨んでいましたが、2年目は、当事者として、かつ相談支援専門員として出席している意識が少し芽生えてきたかな。 34ページに記載させてもらっている通り、2024年度は、地域生活支援拠点等部会が発足してひたすらそのことを考える1年でした。 拠点等の機能の中心は相談支援なので、えそうれん、江戸川区相談支援事業者連絡協議会の吉澤氏の頭脳に引っ張ってもらいながら、必死に私も勉強勉強。 拠点てなんだろう、すてっぷはどんなことを担えるにだろうそんなことを考えながら参加し続けた1年間でした。 一周回って今、すてっぷが地域にある意味として感じているコト。 ピア・カウンセリングやILPといったピアサポートを社会資源として地域で暮らす障害者に利用してもらうこと。 楽しいことをたくさんして地域で楽しく暮らすロールモデルでいること。 結局、今まで通りでいいのかも?という結論。 ■38ページから39ページ タイトル:2024年度事業報告③普及啓発事業、当事者参画、情報保障のあれこれ 執筆者:なかそねすずね すてっぷで密かにやっている情報保障システム。今年度もたくさんのかたに支えられながらすてっぷや他の団体の情報保障の取り組みや働きかけを強化することができたと思います。 現在STEPえどがわでは、20名のテイカーさん(文字通訳者)に登録いただいており、学生さんから主婦のかた、身体の当事者のかたもいらっしゃいます。主に私に対する情報保障ではありますが、最近は地域のイベントや研修会、オンラインの学習会などでも情報保障の相談がくるようになり、できる限り対応できるようにしています。 ここで改めて、すてっぷえどがわの文字通訳の歴史を振り返ってみたいと思います。 私がすてっぷえどがわに仲間入りしてからすぐ、職場ないでの情報保障についてアドバイスをもらいたいと思い、CILに所属している聴覚障害の当事者スタッフと接点をとって聞き出してみましたが、みんなかなり情報保障が確立しておらず困っている状況がありました。 私も最初のうちは、口の動きを読むことを頑張っていて、みんなには少しゆっくりめに、はっきり話てほしいとだけお願いしていました。が、やはり口の動きを読むのはかなり集中力や想像力が必要で疲れてしまうことがありました。 そこで、会議の時は発言したことをスタッフが順番にワードに文字を打ち出そうという取り組みが始まり、必要最低限の情報は得られるようになりました。 しばらくこの方法が続いた後、担当者会議なのに担当者メンバーが頑張って文字打ちをしていて会議に参加できてない状況に負い目を感じるようになってしまいました。 同期だったなっちゃん(そだなつき)に相談したところ、外部からサポートしてくれる人を集めようよと、近くの大学や、知り合いの教授のゼミ生だったりに声をかけて情報保障の専属サポーターのような形で、なおかつきちんとすてっぷと雇用契約を結んで情報保障者として活動してもらうという取り組みが始まりました。 これが今でも続いていて、現在は岡本とぬの川が担当者として引きついでいってくれています。私のための情報保障ではなくて、すてっぷのための情報保障、それを支えてくれる人たちという認識を統一してもっていて、情報保障はみんなにとって必要なものという意識づけも出来ていると感じています。 情報保障サポーターはいつでも募集しています。キーボード打ちが得意な人、得意になりたい人、できればブラインドタッチができればなおよしですが、一緒に練習していくのでもオッケーです。 興味のある方はぜひご連絡ください。 ■39ページから44ページ タイトル:2024年度事業報告③普及啓発事業、国際協力事業、モンゴル研修 その1 執筆者:つちやみねかず 2024年8月30日から9月6日の日程でモンゴル、(ウランバートル)へ行ってきました。 なんでモンゴルへ行ってきたのかというと、国内の自立生活センターと言われる団体で海外支援プロジェクトというのをやっていて、そのメンバーにすてっぷえどがわも入っているのです。 日本には自立生活センターと言われる団体が、すてっぷえどがわを含め120ほどあります。 その中の10団体ほどが海外支援に興味を示し、このプロジェクトに参加しています。研修のため、中南米やアジアの国々から日本の障害福祉サービスや自立生活センターのこと等を学に障害当事者が来日し、様々な学びや経験を得て自国へ戻り、それぞれの国で自立生活センターを設立しています。 日本での研修やセンター設立、設立後のフォロー等長期的な支援が必要となるため、じゃいかさん協力のもと進めているものです。 このプロジェクトはねん単位で行われているのですが、今回は6ヵ国、(パキスタン、ネパール、カンボジア、ベトナム、モンゴル)へ数団体からなるそれぞれのチームが行きました。 モンゴルへは兵庫のメインストリーム協会、静岡のCILこねくと、そしてSTEPえどがわ、(土屋、田中、原嶋)の3団体、介助者含め総勢11名でいってきました。 モンゴルでは、2010年にダスキン研修で来日した障害当事者が、その学びと経験をもとにモンゴル初のCIL、(通称UPセンター)を設立しています。 その後とても精力的に活動を続け、今ではモンゴル国内に7つのCILができ、モンゴル政府とも良好な関係を構築しつつあります。 今回の訪問した目的はいくつかあるのですが、そのうちの1つが障害者開発庁で開かれる、自立生活概念セミナーに出席、登壇することでした。この中でも僕の中で印象に残っていることがあります。 このセミナーは同庁舎内で行われ、参加者には次官を含む同庁職員や相談員さん等約100名が来られていました。自立生活体験をしている当事者もすうめいいましたが、ほぼ行政側の方々です。 ここで話して欲しいのは、施設での生活はつらいことの方が多いという部分を強調して話して欲しいという事でした。 私自身、病院と施設で合計8年ほどを過ごした経験があります。その時のつらかったことや、嫌だったことなどの経験を話して欲しいと。 モンゴルでは今、施設を作る・増やす動きになりつつあるのだそうです。施設に行けば困ることもなく、安心して過ごすことができると行政の人たちは考えている。 しかし実際に施設で過ごした人の感想はこうです。施設での生活は幸せな生活ではなく、実際は辛いことの方が多い。と、いうような話をして、行政側に思いとどまらせたいという事でした。 そのことを切実に説明してくれる雰囲気に、私はちょっとびっくりしました。そこまでの強い危機意識を持って何とかしたいという、当事者の想いを感じたからです。 こういった活動こそが当事者でないとできない、気付かない部分なのではないかと、この時に改めて思いました。 モンゴルでは日本より先、2008年に障害者権利条約に批准しています。批准以降施設から地域への移行が進められているみたいなことは聞きましたが、実際には矛盾しているようにも感じます。 モンゴルにはこれまでCILがありませんでした。CILができた事でこういった動きにも敏感に反応し、当事者の視点で活動し意見を伝えることが、よりニーズに近づけていけるのではないかと思いました。 ちょっと視点を変えてモンゴルについて少しだけ。概要はこんな感じです。 直行便の飛行機で6時間くらい 国土面積は日本の約4倍 人口は日本の約35分の1 そのうち約50%が首都ウランバートルに集中 交通手段は基本的に車 どこも常に大渋滞で移動が大変 しかんでは、走っている車の8割くらいがトヨタ車 道路・歩道の路面状態は悪い バリアフリー状況はこれからという感じで、車椅子での移動はけっこう大変でした。単独での移動は歩道状況などから厳しいかな。食事はいろいろ食べましたが、思っていたよりクセはなく、むしろ美味しかった、(帰国後体調崩したけど)。 モンゴルでは今まさに制度が動いている真っ只中です。介助制度もこれから充実していくと思われます。 UPセンターには私と同じ頸髄損傷の方も数名いました。彼ら彼女らの生活が今後どう変わっていくのか。顔を思い浮かべながら応援するとともに、この経験を今後の活動に活かしていきたいと思います。 その2 執筆者:たなかあさみ じるJICA NGO型提案プログラムで、土屋さんと原嶋くんと田中でモンゴル研修に参加してきました。 土屋さんが真面目なことを書くということで、田中は思い出を記録に残そうかなと思い書き始めます。 まず私が数ある発展途上国の中からモンゴルを志願したのは、相撲大国だからです。 日本で活躍している力士は大抵モンゴル人。私は力士のお尻から太ももにかけてのシルエットが大好きです。 障害者運動となんの関係があるか分かりませんよね。モンゴルを志願した理由が不適切ですね。 でも行けば何かしらの学びはある、そう信じて飛び立ちました! モンゴルの首都、ウランバートルは車社会なのでとにかくすごい交通量で常に渋滞。車で10分の所へは歩いたほうが早いらしい。 そして中央分離たい以外の車線はみんな無視。交通ルールがないのか?と思うほど。 とにかく空気が悪く、道はガタガタ、空港からホテルまでの道中で何度椅子の上で飛び跳ねたことかきっと当事者の土屋さんも飛び跳ねていたことでしょう。 しかし、ウランバートルから離れればそこはもう大自然!草原には野生の牛や馬が走っている風景がたくさん見られました。なんと言っても、夜になると満天の星空! 滞在中に放牧民が移動生活のために使う伝統的な住居「ゲル」に1泊させてもらいましたが、そこでの星空は人生で見た中で1番綺麗な空でした。 ゲルは入口に少し段差がありますが、乗り越えられる程度なので車いすでも問題なく入れました。なかはとても広く、車いすの方が10名は入れるような広さでした。 そして食事についてですが、野菜を食べる習慣があまりないようで全然野菜が食べられず、ホテルの朝食についていた2~3枚のレタスをかみ締めて食べました。 とにかく肉食。ラムや牛肉がメインで、モンゴルのCIL、「UPセンター」でいただいた家庭料理はどれも美味しかったですが、私は「ホーショール」という、日本でいう揚げ餃子のようなものが一番ラム肉を感じられ美味しかったです。 ここまで本当に私自身の思い出話を書き出してしまいましたが、モンゴルのCILの方々に今回お世話になりましたが、少しその辺りにも触れておきたいと思います。 「UPセンター」はほとんどがけいつい損傷の当事者でした。その中に数名、脳性麻痺の当事者がいる感じです。 介助者は少なく、センター内では、軽度の脳性麻痺の方が重度な(ほぼ寝たきり)脳性麻痺の方の食事介助をしたり、障害者同士で介助をしあう場面が多々ありました。 制度や環境が整ってきている日本ではなかなか目にする光景ではなく、発展途上国を目の当たりに感じました。 しかしモンゴルの人たちは、これから障害者がより自分らしく生きられるために政府へのアピール活動、勉強会などを開催しており、とても力強さを感じました。 また、制度や環境が整っていなくても、みんな常に笑顔で、楽しく暮らしている様子には感銘を受けました。 幸福度とは自ら創るもので、幸福度の高い人たちが集まるとさらにより良いものが生み出されると私は学びました。日本に戻り、私に何ができるかを常に意識し考え、STEPえどがわに関わるみなさんと幸福度を上げて生きたいと思います。 最後に私のモンゴル思い出ランキング2位は「はるま富士」に会えたこと。そして第1位は「モンゴルのお土産屋さんで日本人全員に置いてきぼりにされ、あやうくモンゴルで迷子になるところだった」ことです。 私の顔は、モンゴル人に間違えられるほどモンゴルフェイスだそうで、迷子になったらなったで、モンゴルで違和感なく生きていけたかもしれません。 写真:ドラマヴィバンのロケ地の広場。誰だか分からない偉い人の像の前で集合写真。 写真:UPセンター事務所での歓迎会。長いテーブルの上に沢山のモンゴル料理が並び、みんなで食べました。 写真:セミナー風景。数十名が椅子に座って前のスクリーンをみている。 写真:幅の広い道路に雨水が滞留し、大きな水たまりがある。 写真:国会議員に障害者が2人いるそうで、そのうちの1人と面会することができた。議事堂の中、すごく豪華そうな部屋の中でみんなすこし緊張。。。 写真:羽田空港で、ウルトラマンと一緒に土屋・あさみも「シュワッチ」のポーズをしている 写真:ゲルの中でみんなでご飯を食べました、車いすでも生活できるフルフラットのゲルでした 写真:元横綱はるま富士経営の日本語学校訪問。入学式にも参列、あさみも隣にちゃっかりポジションをとっていました。 ■45ページから46ページ タイトル:2024年度事業報告③普及啓発事業、お花見とクリスマスパーティー 執筆者:いけがみともこ 2024年度も「お花見」「クリスマスパーティー」を行いました! 3月30日に春江の森公園にて行われた「お花見」では、快晴、汗ばむ陽気となりました。 肝心の桜は「あ、咲いてるの見つけた!」と、探すのが大変なくらい咲いてなかったのですが、70名以上のかたが足を運んでくださり、中にはワンちゃんも連れて参加する方も(笑) 皆様からの差し入れは、サーモンの桜寿司、お酒、お菓子など盛りだくさん。皆さんおいしいものを囲んで顔を合わせて笑顔が飛び交い、話に花を咲かせておりました。 最近恒例となってきた抽選会では、見事1位を当てたかたは「近江ぎゅう」をゲット。 おいしく楽しく年度最初の盛大なお花見となり、新たに生活介護事業所を立ち上げる方たちも繋がったりと、年々繋がりが増え今年も新たな出会いとなったお花見でした そして、年末の締めくくりは「クリスマスパーティー」12月14日に東部区民間で行いました。 今回は、水曜日におこなっている「すいDo」に参加している皆さんにご協力いただき、愛情込めて「手作り巾着」、」「ツリー飾り」の制作をしてくれました。 クリスマスパーティー当日は、あの有名な?TKパークさんも参加。「アイドルオーディション」が開催され、みんなで曲に合わせてステージでダンス 文字通訳、手話通訳もみんなでノリノリ、ダンサナクセイバーもオーディションに向けて練習した「オタ芸」で応援。 すると昨年現れたゾンビが再び。「ワタシモアイドルニナリタイ」。最後はみんなで踊って「全員オーディション合格!!」 その後は、有志のかたがピアノ演奏を披露したり、ダンスを披露したり、とても楽しい時間となりました。 希望者にはアイドルメイク。つけまつ毛付けてギャル顔に。ゾンビ希望の方はゾンビ顔に。 抽選会はゾンビ達が進行をお手伝い。すいDoで作った巾着も景品として準備。当たった方にお持ち帰りいただきました。 パーティーが終わるころには、子どもから大人、呼吸器ユーザーの方までがギャル顔とゾンビ顔となり、もちろん集合写真はすごい事に(笑) 今回も楽しいクリスマスパーティーとなりました。 これからも、STEPえどがわのイベントを皆さんと一緒に楽しめるよう、いろいろ工夫を凝らして開催して参りますので、ぜひ遊びに来てくださいねー! 写真:壁にクリスマスパーティーの横断幕。その前でサンタクロースの格好をしたダンサナクセイバーや子供たちが踊っている 写真:50人ほどの参加者全員で記念撮影。ゾンビの仮装やギャルメイクをしている人もいる 写真:桜が散ってしまっている公園。ビンゴゲームで当選した4名の記念撮影 写真:青空の下で約50名の利用者やヘルパーなどが全員集合の記念撮影 ■46ページから47ページ タイトル:2024年度事業報告③普及啓発事業、映画上映会「大空へ羽ばたこう」 写真:上映会用の「大空へはばたこう」のポスターが入口のホワイトボードに貼ってある 写真:広い会議室で映画を鑑賞している人たちの後ろ姿 写真:上映会後のトークショー、十数人の観客の前で、知的障害のある息子さんとそのお母さんが話している、その右隣に今村、その隣に文字通訳者。 11月22日、23日2日間連続ですてっぷえどがわ主催「大空へ羽ばたこう、自立への挑戦」という映画の上映会を行いました。 この映画は知的障害の人の自立支援をテーマにしたドキュメンタリー映画です。すてっぷえどがわでこれから徐々に取り組んでいきたいテーマでもありました。 「入所施設は必要なのか?」の問いに、これまで多くの専門家や福祉関係者が様々な意見を言っている中で知的障害当事者の声は少なく、この映画では知的障害者が実際に取材し、そこで感じた生の声が入っていました。 また入所施設から地域へ出た利用者さんの表情や、長く施設にいた人が地域生活をすることで起きた変化などを見ることができました。 1日目のトークショーのゲストは「せんぷく」といって、障害当事者含めた福祉関わる若手達が自分の想いを綴って寄稿する冊子があり、そのメンバー5名をゲストに招き、すてっぷの若手スタッフの岡本に進行をしてもらいました。ゲストメンバーも知的障害者の支援の経験がある人がいましたし、もちろん普段から知的障害の方と関わっているという人もいて、いろんな立場からエピソードや映画の感想を聞けて、私自身さらに視野が広がったような気がしました。 ふつかめはすてっぷのヘルパーをしてくれているおさんと知的障害のある息子さんをゲストに、お話しいただきました。 息子さんもよくすてっぷのイベントに遊びに来てくれているのですがちゃんとお話をきいたことがないなと思ったので、今回どのような経験をしてきたか、日々の生活のことなどお話しいただきました。 両日とも学生さんから地域の当事者のかた、福祉関係や放課後ディサービスのスタッフのかた、当事者のご家族のかたなどに来ていただいて出会いもあったふつかかんでした。 引き続き上映会を通して様々なことを学んでいけたらいいなと思います。 ■48ページから50ページ タイトル:2024年度事業報告③普及啓発事業、バリアフリー演劇「星の王子様」 写真:ステージ上で大勢の役者と観客が笑顔で両手を挙げている 写真:役者の王子と地理学者役の利用者さんが顔をみあわせている 写真:ふたりののみすけ役とその間に犬の被り物をかぶった津田がしゃがんでいる その1 執筆者:なかそねすずね 2025年2月21日22日にタワーホール船堀でバリアフリー演劇鑑賞会をおこないました。 すてっぷえどがわとしては3年連続の開催になります。 今回もバリアフリー演劇のプロでもある東京演劇集団かぜのみなさんにきていただき、例えば視覚・聴覚の情報を伝える舞台手話や字幕や音声ガイドが演出の中に組み込まれていたり、舞台の広さや構造、出演者やサインネームを紹介する舞台説明もあるなど、誰もが同じ時間・空間を共有しあえるような工夫がしっかりされた中で私たちは安心しながら参加をしました。 今年度は「星の王子さま」の演目で2日間連続で開催しました。両日満席となりお客さんも完全に入れ替えという形をとらせてもらっていたので合計300人以上のかたと一緒にバリアフリー演劇の空間を作っていただけました。 手話歌「ぼくの旅は続く」では、たくさんの人がステージに上がってくれました。 みんな思い思いに表現をしていて、それがみんなそれぞれ違って、違うからなんだかおもしろくて、それに混ざり合ってとてもきれいで、そんな経験のきっかけとなる東京演劇集団かぜの皆さんには感謝しています。 また今年度も開催予定なので皆さんお楽しみにしていてくださいね。 今回主に担当してくださった風のしぶや愛さんからもコメントをいただきました。 バリアフリー演劇「星の王子さま」公演を終えて 東京演劇集団かぜ・俳優 、しぶや愛 誰もがありのままの姿で、共に生きる社会を願ったインクルーシブボールが、劇場のなかを舞う光景はほんとうに美しかった。 すてっぷえどがわと東京演劇集団かぜのバリアフリー演劇の協働は、三度目になりました。 我らがリーダー中曽根すずねさん、理事長の今村登さん、スタッフの方々の熱い想いがあってこそ、実現できる公演です。 演目の『星の王子さま』は、王子さまが旅をしながら友だちや、かけがえのないものと出会う物語。 今回、王子さまを励ましてくれる「のみすけ」と「地理学者」という重要な役で、利用者さんと支援者さんが出演してくれました。 この公演のために鈴音さんと何度も言葉や考えを交わして大切にしたことは、出演する利用者さんや劇場へ来てくれるみなさんが、自分の意思を自由に、思いきり表現できる場をつくることでした。 ドラマ=演劇の語源は、ドローメノン。 古代ギリシア時代に生まれた言葉で、自分の力では及ばないことを誰かと一緒に強く希求することを意味します。 舞台と客席の垣根を悠々と超えて、王子さまと演じる子供や障害のある方たち。その姿を温かい眼差しで支える人たち。 誰もが主役になって、心を通わせられたあの空間が、演劇そのものを言い表していたように感じました。 今回もたくさんの出会いと喜びを生んでくれたすてっぷえどがわのみなさんに心から感謝します。 そしてこれからも一緒にバリアフリー演劇を深化させて、人や未来について語り合える仲間であれたら幸せです。 その2 執筆者:つだひろし 風さんの作るステージと演目は差別なく誰もが参加でき、車いすの方々もステージに上がれたり、元気のいい声援があったり、ステージ遊び始める子がいたりしても見れる芝居、安定感芝居、そしてなぜかその方が面白い芝居であり、その公演のお客さんごとに違う、まったくもって同じ芝居は無いところに魅力を感じました。 こんかいの風さんの星の王子様は瑞江のお客さん、そしてすてっぷえどがわが携わった2回限りのとても素敵な芝居となり、やはり星の王子様の1回目と2回目はそれぞれの展開と面白さがあり僕にとって貴重な経験をさせてもらいました。 またナクセイバーショーでは、締めくくりのバリバリアンを倒すところはワイワイガヤガヤお客さんも演者もぐるぐるステージや客席を入れ替えながら、舞台と客席の境界線を越え、みんなを巻き込んでインクルーシブ大切に思う気持ち」を巨大風船ボールに溜め込んで一致団結でバリバリアンにぶつけまくる、この瞬間が大変面白かったです。 バリバリアン側になってしまったお客さんもナクセイバー側に寝返るそのアクトを素敵でした。 来年も必ず公演したいと思います!その時はまた、その瞬間を皆様と共に面白くおかしく楽しいナクセイバーSHOWを行いますので、是非観にきてください。 ■50ページから51ページ タイトル:2024年度事業報告③普及啓発事業、広報活動の報告 執筆者:やまだめい 2024年度は以下のSNSツールを使用して、広報活動を行いました。 ぜひ下記のQRコードからのぞいて、ゆるっと見守っていただけると嬉しいです。 この中でも、特に鮮度の高い情報をお届けしている①インスタグラムとフェイスブック、②ラインオープンチャットについて詳しくご紹介したいと思います! ①インスタグラム, フェイスブック すてっぷの仲間たちが日々行なっている自立支援事業やイベント、外部の方々との様々な交流の様子を発信しています。 そしてなんと、すてっぷをより身近に感じてもらいたいということで、事務所で繰り広げられる愉快な仲間たちの様子も楽しく軽快なボケと共に掲載しちゃったりしています。 自立生活センターってなにしいてるところ?すいDOってなにどういうこと、と年次報告の文章を見てくれているそこのあなた 実際の様子がより分かると思うので、ぜひこれらのSNSをご覧になってみてください。 少しでもすてっぷって面白そうだな、私も一緒に外出てみたいな、やってみたいな、働いてみたいなと思って貰える発信ができたらいいなと思っています。 そして面白い発信に自分も加わりたい、という方も大大大募集ですので、画像と文章を添えてすてっぷのメンバーに送ってください。 イラスト:インスタグラムの二次元バーコード イラスト:ホームページの二次元バーコード イラスト:ラインの二次元バーコード イラスト:えっくすの二次元バーコード ■51ページから58ページ タイトル:2024年度事業報告③普及啓発事業、外部との連携、啓発活動 すてっぷえどがわは様々な外部団体や学校等と連携、協力して活動の場を広げています。 これらの活動は「障害者の自立生活」の理念を一般社会へ伝えるとともに、介助現場に携わってくれる人材獲得にもつながっています。 2024年度は以下の活動をおこないました。活動の場は多岐にわたるため、分類ごとに分けて記述しています。 表1:イベント、行事 ●さんしょうがいフォーラム「LGBTQ多様な性にイエスの日」【今村、土屋、中曽根、蛭川、工藤、すずね】 ●江戸川区福祉関係者団体交流会「わっしょい!えどがわ」【蛭川】 ●海老原宏美基金 朗読&座談会 【工藤】 ●<海老原宏美基金令和6年度成果報告会>【工藤】 ●第2回江戸川区特別支援学級・学校進路フェア ブース出展【今村、中曽根、蛭川、工藤、すずね】 ●みみの日ナクセイバー出演【土屋】 表2:検討会、委員会、地域連携業務等 ●さんしょうがいフォーラム【蛭川・工藤・今村】 ●江戸川区相談支援事業者連絡協議会(江相連)【蛭川】 理事会、研修部会、総会、定例会 ●江戸川区移動支援等連絡会(移動連) 【蛭川】 ●江戸川区障害者団体連絡会(障団連)【蛭川】臨時定例会【工藤】令和6年度第3回連絡会 ●江戸川区ピアサポート研修打合せ 【工藤】 ●江戸川区地域自立支援協議会【蛭川】 本会、地域生活支援拠点等部会、拠点部会フロー作成WG、拠点部会啓発チームワーキンググループ  ●江戸川区の精神障害にも対応した地域包括ケアシステム構築事業【蛭川】 ワーキンググループ、全体会、ワークショップ ●江戸川区災害ボランティアプロジェクト(えみんぼ) 【市川】 ●てぃーばっく 【市川】 ●マンション防災組合講義打合せ 【土屋】 ●もぐらの家 オンブズマン活動【土屋】【蛭川】 ●東京都相談支援従事者研修検討会【蛭川】 本会、内容整理チーム会議、初任研チーム会議  ●第6回移動等円滑化評価会議関東分科会(関東運輸局) 【工藤】 ●スポーツ庁訪問(DPI日本会議バリアフリー部会) 【工藤】 ●サイトラインの確保等に係る検討WG(国土交通省)【工藤】 ●視覚障害者等の読書環境の整備の推進に係る関係者協議(厚生労働省)【土屋・工藤】 ●令和6年度第1回新たな日常生活における障害者・高齢者アクセシビリティ配慮に関する国際標準化委員会 本委員会(共用品推進機構) 【工藤】 ●障害者等の航空機非常脱出に関する意見交換会 事前打合せ(国土交通省)【工藤】 ●鉄軌道のバリアフリー化の整備推進に関する検討会 事前打合せ(国土交通省)【工藤】 ●アクセシブルな電子書籍市場等の拡大等に関する調査 第一回検討委員会オブザーバー参加(経済産業省) 【工藤】 ●UDタクシー乗車運動実行委員会(DPI日本会議) 【土屋・工藤】 ●UDタクシー乗車運動報告の国交省訪問(DPI日本会議) 【工藤】 ●鉄軌道のバリアフリー化の整備推進に関する検討会(国土交通省)【工藤】 ●第1回 障害者等の航空機非常脱出に関する意見交換会【土屋】 ●国際園芸博覧会第2回アクセシビリティ・ガイドライン検討会【工藤】 ●JR東日本意見交換会 【土屋・工藤】 ●国立公園の施設整備のUD化についての意見交換(環境省) 【工藤】 ●国際園芸万博テーマ別検討会 【工藤】 ●Jリーグスタジアムでの車いすユーザーへの対応状況について話し合い【工藤】 ●図書館におけるアクセシブルな電子書籍サービスに関する検討会(文部科学省)【工藤】 ●公明党バリアフリープロジェクト 【工藤】 ●第13回移動等円滑化評価会議(国土交通省) 【工藤】 ●障害者ピアサポート研修の実施内容の検証及び更なる効果的な実施方法の確立に向けた研究【蛭川】 検討委員会、ヒアリング協力、じる組(身体領域)WG ●じる(全国自立生活センター協議会) 【今村】 <常任委員会(副代表:12月末辞任)> <政策委員会(委員長)> <研修啓発委員会> <国際協力PT> <ウィン> <国交省関係> <移動等円滑化評価会議あんどテーマ別意見交換会> <障害者等の避難誘導に係る意見交換会> <鉄道における障害者の利用環境改善に向けた意見交換会(無人化対策)等)> <障害者の居住にも対応した住宅の設計ガイドラインの策定> <サイトライン義務化検討会(ガイドラインで実効性を担保)> ●DPI(NPO法人DPI日本会議) 【今村】 <常任委員会(事務局次長)>4月、8月、10月、12月、2月 <幹事会(事務局次長)>5月、7月、9月、11月、1月、3月 <全国集会&総会>6月  <政策討論集会>12月 <地域生活部会(部会長)>偶数月開催  <総括所見プロジェクト>毎月 <脱施設勉強会>事務局会議(毎月)、勉強会(年4回) <DPI日本会議と東京大学大学院教育学研究科との フルインクルーシブ教育事業に関する協定書に基づく東大での集中講座> <都立高校授業(4校:インクルーシブな学び東京コンソーシアム)> <厚労省総合福祉事業「障害者の地域支援も含む障害者支援施設のあり方研究」> <厚労省科研費「地域生活支援拠点等における コーディネーターに求められる役割や業務等の明確化のための研究」> <1年未満の海外研修、滞在中の重度訪問介護サービス利用を 正式に認める通達の発出を実現> <スポーツ庁要望「スタジアムの運用に関する要望」> ●TIL(NPO法人東京都自立生活センター協議会) 【今村】<運営委員会(理事)> 【蛭川】<運営委員会>  表3:視察、見学、研修、勉強会 ●ブラッシュアップ研修(江戸川区相談支援専門員等研修) 【蛭川】【工藤・中曽根】(ピアサポーター協働事例検討) ●東京都相談支援従事者研修現任者研修(更新研修) 【蛭川】 ●令和6年度相談支援従事者指導者養成研修(国研) 【蛭川】 ●江戸川区地域生活支援拠点等の勉強会「地域生活支援拠点等のこれまでとこれから」~整備主体である自治体と民間事業所等との官民協働での取組を考える~ 【蛭川、今村、井家上】 ● じる全国セミナー  (5月)【工藤】 (12月)【今村、土屋】【工藤】【蛭川】 ●自立生活センターが目指す地域社会とは!(CILくにたち援助為センター) 【蛭川、工藤】 ●じる-NGO等提案型プログラム 【土屋】<国内研修><合宿(メインストリーム協会)> <モンゴルチーム会議><モンゴル研修> 【土屋、工藤】<報告会> ●DPI日本会議 【土屋】 <バリアフリー部会会議>   <第17期2024年度バリアフリー障害当事者リーダー養成研修いん東京(バリアフリー研修2024)実行委員会会議>  <常任委員選挙立会人> <政策討論集会> 【工藤】 <バリアフリー障害当事者リーダー養成研修> <障害者差別に関する相談窓口「つなぐ窓口」の実績報告会> ●じゃいか渡航管理システム説明会 【土屋】 ●第8回じゃいか NGO等提案型プログラム 「自立生活を推進するための国際協力ステップアップ研修」  【工藤】 <乗換案内実証調査>(池袋駅)(浅草駅) 【土屋、工藤】 <JR東海東京駅のホームと車両の段差・隙間対策箇所の検証> ●バリアフリー研修2024【土屋】 <渋谷ルート視察><本研修><交通エコモ財団報告> ●視覚障害者誘導機器(ぶるナビ)(NTTドコモ) <実証試験打合せ>【土屋】<実証試験:新宿駅>【土屋、工藤】 ●ライドシェア勉強会(国土交通省) 【工藤】 ●成田空港ユニバーサルデザイン分科会(八千代エンジニヤリング株式会社) 【工藤】 ●東京メトロ・バリアフリー化に関する意見交換会 【土屋】 ●路線バス評価実験(日本自動車研究所) 【工藤】 ●乗り合いバス 車椅子固定装置評価実験 【土屋】  ●トヨタイーパレット福祉車両化意見交換会 【土屋】  ●JR東日本・バリアフリー化に関する意見交換会 【土屋】 ●ラバトリーモックアップ(じゃくさ) 【土屋、工藤】 ●さんしょうがいフォーラム勉強会「アドラー心理学から学ぶ 幸せに生きるコミュニケーション」【蛭川、工藤】 ●日本橋UD検証(筑波技術大学) 【工藤】 ●じゃくさ航空機バリアフリーラバラトリー提案コンセプトに対するレビュー【土屋】 表4:講師派遣、出前授業 ●千葉商科大学講義【土屋】 ●千葉県立保健医療大学講義 【工藤】 ●区立船堀小学校出前授業 【土屋】  ●JIL全国セミナー:ピアカン委員会 【蛭川】  ●交通サポートマネージャー研修 【土屋】  ●法律条約3つのセミナー(パルレ主催) 合理的配慮・障害者権利条約【工藤】医療ケア児【市川】 ●東京都相談支援従事者研修初任者研修講義動画撮影【蛭川】  ●JR東海サポマネ研修 【土屋】 ●令和6年度愛知県障害者ピアサポート研修 【蛭川】 ●東京都相談支援従事者研修初任者研修ファシリテーター説明会 【蛭川】 ●令和6年度東京都相談支援従事者研修初任者研修メインファシリ【蛭川】 ●令和6年度障害者ピアサポート研修事業に係る指導者養成研修(国研)【蛭川】 ●令和6年度東京都障害者ピアサポート研修【蛭川】 ●ロービジョン友の会アリス 防災研修会 【市川、土屋】 ●東京国際空港ターミナル要サポート者対応訓練(車椅子) 【土屋】  ●虐待防止ワークショップ(日本障害者リハビリテーション協会)【工藤】 ●政策討論集会バリアフリー分科会(DPI日本会議) 【工藤】 ●令和6年度東京都自立支援協議会セミナー 【蛭川】 ●江戸川区内マンション協議会 学習会 【市川】 ●障害のある人を支援する防災研修会(リハ協)【市川】 ●鉄道事業者向け研修(国土交通省) 【工藤】 表5:取材、インタビュー、ヒヤリング ●じぇーこむ、安心安全課 取材 【市川】 ●パラリンピックに関する調査研究 (マカオ・セント・ジョーゼフ大学)【蛭川】【土屋】 【工藤】 ●交通バリアフリー教材作成協力:新国立競技場(じゃいか) 【工藤】 ●ミドリ安全・防災取材 【土屋】 ●国土交通省航空局 車椅子搭乗等に関するヒアリング 【土屋】 ●気象庁 障害者への情報伝達等に関するヒアリング 【土屋】 ●長野大学学生卒論協力インタビュー 【土屋】 ●ユニバーサルデザインに関する取材(法政大学) 【工藤】 ●「障害のある人々の地域づくりへの参画に関する研究-協議会に所属する身体障害のある当事者へのインタビューを通して-」(国際医療福祉大学)【蛭川、今村】 ●国立国会図書館の障害者サービスに関する次期計画のヒアリング【工藤】 ●よみうりランド基本設計ヒアリング(よみうりランド) 【工藤】 表6:その他 ●海老原博美基金【工藤】 <第一次選考 選考委員><会議> ●優生保護法国家賠償請求訴訟最高裁判 傍聴 【工藤】 ●国際協力ベトナムメンバー関西合宿 【工藤】 ●優生保護法裁判 原告による法務大臣訪問に同行 【工藤】 ●国際協力ベトナム出張 【工藤】 ●JIL臨時常任委員会 傍聴 【工藤】 ●交通エコロジー・モビリティ財団創立30周年記念式典 【土屋】 ●DPI日本会議UDタクシー一斉乗車運動 【土屋】 ●執筆:新・ノーマライゼーション 5・9・11月号 【市川】   ●執筆:書籍「安全・安心な都市・地域づくり(千葉商科大学)」 【市川】 ■59ページ タイトル:2024年度事業報告④障害福祉・介護保険事業、利用者数・ヘルパー登録数・派遣時間数 表タイトル:介助派遣 表:利用者数、男性35人(うち社員10人)、女性43人(うち社員9名)、性別は自身の申告による性別です。   派遣時間数、重度訪問介護54,135.5時間、きょたく介護(家事・身体)2,239時間、移動支援1,759.5時間、介護保険2,077.5時間、自費1,318時間   (十分な支給決定がされず不足する介助時間、または障害福祉サービスで認められていないけれども障害者の生活にとって必要不可欠とされる事柄について介助派遣を行ったもの。)   IL自費20.5時間、移動支援や重度訪問介護の支給決定がされていない人が体験ルーム利用中に使ったヘルパー派遣、合計61,550時間 ■59ページから60ページ タイトル:2024年度事業報告④障害福祉・介護保険事業、ヘルパー研修会 執筆者:ぬのかわゆう 表タイトル:2024年度ヘルパー研修会全プログラム 表:開催日、テーマ、参加人数。   2024年5月23日、カナダの障害者の暮らしぶりや状況を聞いてみよう、講師:マクレガーかおるさん、20名。   8月10日、防災について考える、18名。   9月27日、障害者運動におけるファンドレイジングを学ぶ、講師:DPI日本会議 かさやなぎ大輔さん、20名。   12月6日、アメリカ・ニューヨーク州における脱施設の取り組みと財政について、講師:DPI日本会議 かさやなぎ大輔さん、12名。   12月17日、ヒヤリハット、事故対応・感染症対策、13名。   2025年1月27日、障害者虐待について考える、アンガーマネジメントの手法紹介、18名。   2月17日、もしも介助を受けたなら、14名。   3月18日、年度終わりの「さいころトーク」何が出るかな、何が出るかな。14名 こんにちは、ヘルパー研修会を担当しております、コーディネーターのぬのかわです。 2024年度の研修会の内容や様子をご報告させていただきます! 2024年度はアイデアが花開く年となり、初めて企画する内容をいくつか開催することができました。 特にみんなで企画から盛り上がったのは、「もしも介助を受けたなら」、(略して、「もしかい」)です。 日々、介助者の立場として現場に入っている私たちですが、いざ自分が介助を受ける立場になったらどう感じるだろうか? 「細かい指示だなー」と心でちょっとめんどくさがっちゃうときもあったりしますが、そんな自分にも譲れないこだわりってあるんじゃないだろうか そんなところに視点をおいて、みんなで意見を出し合いました。様々なこだわりがでてきて非常に盛り上がると同時に、そのこだわりを介助を受けながら、人に伝えて実行することのもどかしさみたいなことにも思いを馳せることができました。 なんだかこだわりって愛おしいです。ひとりひとりの生活を大切に、これからも介助をしていきたいなぁとこの研修会を通して皆と学べました。 また、コロナ以降ずっと行われていなかった「昼食会つき研修会」も開催することができました。 みんなで研修会の後に、丸くなってご飯を食べながら雑談、とっても楽しかったです。今後の参考に、おすすめの美味しいお弁当情報もお待ちしています。 今後も、介助者同士の交流の場・意見交換の場として一役買えるよう、面白い企画をたくさん考えていきたいなと思います。たくさんの方に参加していただけると嬉しいです! 写真:STEPの事務所。壁にかかっている大きなテレビモニターにサイコロトークと書かれている。振ったサイコロの後ろで発表している一人のヘルパーさん。 ■61ページから62ページ タイトル:2024年度事業報告④障害福祉・介護保険事業、利用者さん紹介 その1 タイトル:やなぎだあすむさん 執筆者:そがはじめ 写真:迎賓館の前、両手でピースしているあすむ君。 今回ご紹介する人は、やなぎだあすむくんです。 そがが介助に入らせていただいています。彼とのコミュニケーション方法は手話です。 僕はまだ手話が上手にできていないので表情やジェスチャーで彼に汲み取ってもらい会話しています、(少しずつ単語覚えています、すいません!) ある日電車に乗っているときに、海外のカップルの女性が空澄くんの隣に座っていました。 あすむくんは彼氏のほうに席を譲るジェスチャーをして、その彼氏もジェスチャーで返事をして、そのうち彼女が英語であすむくんに話しかけてきて、それを和訳して手話に変換して伝えなきゃいけないのですが英語と手話の同時通訳は僕にはレベルが高すぎて頭真っ白になりました。 言葉が通じなくとも相手の表情やジェスチャーで自分の思いを伝えられるコミュりょくの高さ、見習わないといけないなーと感じました。 車いすの人やまつばづえ使っているかたなど見かけると道を譲りお手伝いをしようと考えている様子を見ると、とても優しさを感じさせてくれます、介助に入りながらいろいろ学ばせてもらっています。 すてっぷのイベントなどにも参加してくれて、ダンスを披露してくれています、イベントに参加されたときは是非話しかけてみてくださいね。 そんなあすむくんに質問コーナーです。 1今ハマっていることはありますか? ・シール貼り ・今日や明日の天気予報 2好きな授業は何ですか? ・作業学習(ものづくり) ・国語(漢字) 3好きなキャラクターはいますか? ・トーマス ・ミッキーマウス ご両親からもメッセージいただいています。 最近、自己主張がより強くなってきて、「これを着たい」「これを履きたい」、「これを持っていきたい」とよく言います。 時季などに適さない場合に説得することがたいへんですが、これも成長だと、とらえています。 人見知りをしないので、知らない人にもついていってしまいそうで、心配です。 最後にあすむくんからも一言メッセージをお願いします! 人が好きで、色々な方と関わりたいです。 まだ、なれないこともありますが、楽しくイベントに参加したいです。 その2 タイトル:きしろかなえさん 執筆者:おかもとりな 写真:クリスマスパーティーでマジシャンの眼鏡をかけ、金色のモールを首に巻いているかなえちゃん。 今回、ご紹介するのは、きしろかなえちゃんです! 去年から、登下校の移動支援にはいり、バスの中などで手話を使って会話をしています。 私は、ときどき手話がわからず、オリジナルのジェスチャーを使いますが、それを一生懸命に読み取ってくれ、「手話でこう表すんだよ、」と手話の先生のごとく教えてくれます、かなえ先生です。 また、かなえちゃんは、笑顔が素敵なしっかり者屋さんで、私のリュックサックのチャックが開いているといつも閉めてくれます。 本当にお世話になってます。すてっぷのクリスマスなどのイベントにも参加してくれてますので、皆さんも手話で声をかけてくださいね! ここからは、かなえちゃんへの質問コーナー! 1、好きなキャラクターは?   ①星のカービィ ②「水色と「亀」の手話をしてくれました。何のキャラクターでしょうか? ③ヨッシー 2、好きな遊びは?  ①滑り台 ②ブランコ 3、好きな教科は? ①音楽②国語 4、好きな給食は?   カレーいったく! ■63ページから64ページ タイトル:2024年度事業報告④障害福祉・介護保険事業、ゆーは何しにすてっぷへ 執筆者:すがわられん 写真:イルミネーションを背景に、トレードマークのアディダスの帽子を被っている菅原。 初めまして、この度機会あってご紹介頂けることになりました。 自分がいかにして、すてっぷえどがわにやってきたのか等をつらつらと語ってまいります、稚拙な長文になりますがどうぞ最後までお読みいただけますと幸いです。 出会いは2024年5月でした。 転職活動をしていて思い通りにいかず時間だけが流れていた当時、学生ヘルパーだった恋人からボクの性格や人柄を見込んで紹介してもらったのが、すてっぷえどがわでした。 これまで福祉の『ふ』、もまともに知らずアンド『付きっきりの介護』のイメージがあったために、全くの知らない世界に自信が出ず、不安が募るばかりでした。 けれども学生でなくなってから学ぶ・知ることの楽しさを覚えてしまった自分は不安とは裏腹に「車椅子の方の日常生活」への好奇心と興味が勝り、重かった腰を上げてもんを叩きました。 それからがとにかくあっという間でした。 相手の体や好みなどに触れる難しさ、街中のバリアフリーに目がとまるようになったり、それぞれの生活スタイルの違いから発見や学びを感じたり、自身の自立生活について見つめ直したり、感謝や思いといった意思疎通することの有り難みを知ったりと、ヘルパーとして携わる中で沢山のことを思いました。 語り始めたら長いタイプなので、割愛したざっくりとした表現でごめんなさい、しかしながらも、これほどにもまだまだ知らない世界があったことを実感しつつも、世の中の広さなど色々感じたその時からボクは一回り成長できたように思います。 こんな自分ですが、ロードバイクでレースに出たり趣味で漫画など描いたりと、多くの活動をしながら大きな夢を持ってます。 その中でヘルパーとしての経験を、いつかの将来や夢に結びつけられたらという目標ができました。 こんなきっかけが無ければ、きっと今も何も知らずに無頓着に惰性で生きていたかもしれません。 一人でも多く物事を知る楽しさや直接肌身で感じれる感謝にやりがいを、こうしてこれを読む誰かに届けられたら嬉しいです。 さいごに、『今のボク』を作ってくれた沢山の方々へ感謝を抱きつつ、まだまだ青二才の新人のボクを応援して貰えるよう頑張ります、改めてよろしくお願いします! ■64ページ タイトル:2024年度事業報告④障害福祉・介護保険事業、人材確保の取り組み 執筆者:きざわしんたろう はじめに、近年、介護業界全体で人手不足が深刻化しており、特にホームヘルパーの確保は全国的な課題となっています。 東京都の介護職有効求人倍率は7.6倍と突出して高く、この状況は江戸川区も例外ではありません。 この厳しい状況のなか、利用者様の希望する時間帯へのサービスの提供や、緊急時の対応が困難になりつつあり、ヘルパーさんには早朝から深夜までの幅広いシフトにご協力いただいているのが現状です。 求人活動の取り組み、すてっぷえどがわでは少しでもヘルパー不足を解消するためにさまざまな求人活動を行っています。 ハローワークや人材センターへの求人申請、各社インターネット求人サイトへの掲載、SNSを活用したすてっぷえどがわの活動アピールを実施しています。 その他、大学や専門学校での講義開催、重度訪問介護従業者養成研修の資格取得支援、求人チラシの配布、知人紹介キャンペーン、そして地元イベントへの参加など色々な方法を取り入れています。 今後、ますます介護人材の不足が見込まれる中で、すてっぷえどがわでは新人ヘルパーさんの定着率の向上や、学生などの若年層、外国人材へのアプローチの拡大に力を入れ、また大手介護事業者や他業種への人材流出を防ぐためにも魅力ある職場環境を目指し、採用活動においては、今後も新しい取り組みを積極的に進めてまいります。 終わりに、人材確保という大きな課題に向き合い、障害をお持ちの方々が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、安定的なヘルパー派遣と必要なサポートを継続的に提供できる体制を盤石なものにしていけるようにこれからも活動していけたらと思います。 ■65ページ タイトル:2024年度事業報告⑤養成研修事業 執筆者:いちかわひろみ 表タイトル:重度訪問介護従業者養成研修、(2024年4年から2025年3月実績) 表:実施回数5回、受講生のべ18人 表タイトル:喀痰吸引等第三号研修、(2024年4年から2025年3月実績) 表:基本研修の実施回数13回、受講生のべ48人、追加研修受講者のべ181人 重度訪問介護従業者養成研修及び喀痰吸引等第三号研修 すてっぷえどがわでは、基本的に毎月研修の開催を予定しています。 重度訪問介護従業者養成研修は、ヘルパーとして働くための資格であり、喀痰吸引等第三号研修は、痰吸引やけいかん栄養(胃ろうなど)を必要とする方へ、サービスを提供するために必要な資格です。 3号研修は、以前に比べると1回毎の受講者人数が減ってきています。 3号研修は1度基本研修を受けたら、新規の利用者に入る場合は追加研修のみで良いため、痰の吸引等医療ケアに携わる人、(事業所)が固定されてきているのではないかと思われます。 令和6年度から、外国人(日常会話は日本語がわかる)の受講の希望があり、最低限理解して欲しい部分を、わかりやすい言葉に配慮したテキスト、試験問題を作成し少人数での外国人向け講習も開催しました。 令和7年度からは長年の悲願だったオンデマンド講習の認可が出たので、講習動画の作成等進めていく予定です。 ■66ページから67ページ タイトル:その他、期待の新人を紹介! その1 執筆者:やまだめい 写真:海地獄というステッカーを持って、すずねキャラバンのTシャツを着ている山田 2024年度から新入社員として働いている山田めいと申します。 ここに来る前は、作業療法というものを学ぶ大学生でした。 医療とかリハビリとかいう分野でもありますが、人や想いや暮らしをたいじにする学問でそんな所が好きで今も学び続けています。 私は学生時代、すてっぷでアルバイトをしたことはないのですが、皆さんご存知ピンクセイバー、おかりな先輩を通して出逢い、すてっぷが掲げる『自立生活』、特に自己選択、自己決定、自己責任という部分に惹かれて、STEPに関わる皆さんが大切にする暮らしを学ばせて貰いたいと思い、今ここにいます。 1年間いて色々得たものはあるけれど、何より、すてっぷで出逢う方々は魅力的すぎる! 共通しているのは、それぞれの人がどうしたいかを大切にしようとしている部分かもしれません。 何かを頑張ってると置き去りにしてしまいやすい部分だと思うので、簡単にできることじゃないと思います。 あとはヘルパーとして利用者さんの暮らしをお手伝いしたとき、自分自身の私生活でも活かしたくなるような暮らしの中のたくさんの工夫が張り巡らされていて勉強になります いつも育てていただき、ありがとうございます。私も誰かの役に立てるよう、自分に出来ることを考えながら精一杯頑張ります!よろしくお願いいたします その2 執筆者:なかやなつみ 写真:クリスマスパーティーでギャルメイクをしてピースをする中屋 こんにちは、4月から介助社員としてすてっぷに入社した中屋なつみです。 私は大学時代に学生寮に入っており、そこで一緒に生活していた先輩がSTEPでアルバイトをしていました。 寮内での新入生歓迎会で、その先輩から仕事の内容を聞き、興味を持ったことがすてっぷと私の出会いでした。 実際に介助をしてみると難しいこともありましたが、やりがいや多くの気づきがありました。 特に印象に残っているのは、通学時によく使っていた駅を外出介助で使ったときのことです。 普段の通学では、エスカレーターを使ってスムーズに乗り換えができていましたが、介助ではエレベーターの場所が遠く不便さを実感しました。 また、スロープを使って電車に乗るときに、駅員さんが来るタイミングが合わず電車を1本逃してしまったこともありました。 日々の生活で気づけなかったバリアを自分で体験して、利用者さんの目線に立つことの大切さを痛感しました。 今後も利用者さんの声に耳を傾けながら、自分自身も学び続け、よりよい介助ができるヘルパーになりたいと思っています。 物事を覚えることがあまり得意ではありませんが、温かく見守っていただけますとありがたいです、よろしくお願いします。 ■68ページ78ページ タイトル:その他、すてっぷえどがわの2024活動報告・2025活動方針 執筆者:いまむらのぼる 表:2024年度活動計算書 表:令和6年度計算書類の注記 2024年度活動報告 すてっぷえどがわで予定していた活動自体は、全体を通して大きな変更はなく、ほぼ予定通りの活動が実施できた。 しかし、理事長の配偶者の急逝。全国自立生活センター協議会を巡る一連の騒動及び、長年じるを率いて来てIL運動の礎を築いて下さった中西正司氏の死去。 すてっぷえどがわ設立前から私たちを応援してくださり、区内での様々な横のつながりを作ってくださった、一社)オリオンの代表で、すてっぷえどがわのせい会員でもあった井口慎吾氏の死去など、すてっぷえどがわの設立・運営に直接的、間接てきに影響を与えて下さっていた方々が相次いで亡くなられ、当方を取り巻く状況や環境に大きな変化が起きたという意味では、大変大きなインパクトのあった年度となった。 今後のターニングポイントになり得る年度であったと言えよう。 さて、今年で3回目となる東京演劇集団「風」とのコラボ企画、バリアフリー演劇。昨年度の好評を受け、今年度は2日間公演とした。 演目は昨年と同じ「星の王子さま」ではあったが、劇中に会場から参加してもらう役があり、2日間とも別の方々に演じていただいた。 とても印象的だったことは、この演劇の特色でもある「みんな参加」を象徴するかのように、劇中にも会場からお子さんたちがたくさん舞台へ上がり、まさに一緒にお芝居を楽しんでいる姿があったこと。 演劇は、迷惑にならないように静かに鑑賞するものという概念を覆し、誰もがそれぞれの楽しみ方で鑑賞するという形を、目の当たりにすることができた。 「自由と野放しは違う」という批判の声もあるにはあったが、これこそがインクルーシブという評価も高く、特に今年度から江戸川区の後援も頂き、ますます「継続は力なり」を実感できた。 当初集客が見込めるのか若干の不安はあったものの、昨年度からのリピーターや初めて来てくれた方などで2日間とも満員となり大成功となった。 ただ、クラウドファンディングは頭打ちの感は否めず、今後の資金調達は大きな課題である。 地域イベントへの参加も積極的に行った。 昨年から開催している特別支援学校、学級在学生徒の卒業ごを考えるイベント進路フェアや手話フェスティバルへ参加し、区内の関係団体等との繋がり、すてっぷえどがわのアピールができたのではないかと考える。 3年間にわたり行われてきたジルのジャイカ国際協力プロジェクトの最終年度は5ヵ国(パキスタン、ネパール、カンボジア、ベトナム、モンゴル)に分散して、訪問希望国にそれぞれのチーム単位で行くことができた。 すてっぷからは、工藤、ぬの川がベトナムへ、土屋、田中、原嶋がモンゴルへ行ってきた。 途上国の障害者団体を支援するという目的ではあったが、その国の現状・環境・生活等を生で見聞きすると、日本との文化や制度、価値観などの違いは当然あるものの、苦労している根本的な問題は共通していることに気づかされるなど、こちら側としても得られるものがとても大きかったと感じる。 この3年間の国際協力プロジェクトに参加できたことは、今後のすてっぷの活動に活かせる良い経験・体験になっている。 防災も引き続き継続して活動している。これまで2回の集団広域避難訓練を行ってきたが、これはすべてある程度事前に予測可能な、水害を想定したものだった。 今年度は震災を想定し、すてっぷ事務所での災害対策本部起ち上げシミュレーションを行った。 もちろん事務所がなんとか使えるという被災での想定ではあるが、事務所機能、介助派遣等継続のための確認作業や訓練を行い、課題や問題点の整理をした。 外部との連携事業や交流も多く行われた。とりわけ、ジルの合理的配慮キャラバン「すずねがいく」では、STEPが取り組んできた「情報保障」をベースに当方の中曽根すずねが全国23かしょを周り、各地の若手の掘り起こし、新しいつながりを作り出してくれた。 すずねについて各地に同行したSTEPのコーディネーターたちにとっても、各地のCILとの交流が深まり、楽しく貴重な経験をし、成長の場となった。 ダンサナクセイバーショーの映像化を、田中ゆうき監督にお願いして2パターン作成できた。今後はこの映像を活用した授業等を展開していきたい。 <取り組めた事業> 1.個別相談・ILP ・修学支援事業 ・就労支援特別事業 2.会議・研修・イベント等のオンラインも含めた開催 ・各種ミーティング、ヘルパー研修 ・第6回映画上映「大空へはばたこう、自立への挑戦」あんどアフタートーク2回開催 ・江戸川ろう者協会主催「えどがわ手話フェスティバル2025」参加 ・第2回江戸川区特別支援学級・学校進路フェア参加 ・クリスマス会 3.江戸川区地域自立支援協議会及び2つの部会(地域生活支援拠点、災害時自立支援)への参加 4.バリアフリー演劇「星の王子さま」あんど劇団風とナクセイバーコラボ2日間上演 5.すてっぷ災害対策本部起ち上げシミュレーション 6.合理的配慮キャラバン(すずねと男女のコーディネーによる他のCIL訪問) 全国23か所 7.じるじゃいか国際協力事業国内研修・海外研修(ベトナム、モンゴル) 8.トヨタイーパレット意見交換会 9.学校関係、講師依頼 ・インクルーシブな学び東京コンソーシアムによる都立高校授業 4校 ・区内中学生の職場体験チャレンジ・ザ・ドリーム 2校 ・区内小学校出前授業 1校 ・近隣大学講義 10大学 ・東京福祉専門学校実習受け入れ ・浦安市の医療てきケア児者の団体、(パルレ)から3回の勉強会講師派遣 10.江戸川区の介護保障を確立する会の活動 11.えどがわさんしょうがいフォーラム 12.総括所見を活用した対外事業 13.壱番館契約・リノベーション検討 14.ダンサナクセイバーショーの映像化 15.瑞江商店会への加入 2025年度活動方針 毎年恒例になりつつある、東京演劇集団「風」あんどナクセイバーコラボイベントのバリアフリー演劇は今年度も4年連続で2月にタワーホール船堀小ホールで開催予定である。 一方、今年度以降、区内の特別支援学校を含む学校の体育館にて上演できないかと模索中である。 在校生や卒業生をはじめ親御さん、関係者等、これまでの会場に足を運ぶのが難しかった方々でも、行き慣れている場所であれば来やすいのではないかと期待が膨らむ。 またコロナかで中断してしまった都立しかもと学園(旧都立江戸川特別支援学校)の授業の再開など、関係強化を図りたいという目論見もあり、今年度を機にぜひとも実現させたい。 防災では今年度は2日間に分けて勉強会を行う。 東日本大震災を経験した障害当事者(車椅子ユーザー)や、能登地震の復興支援に関わっておられる聴覚障害のある方を講師にオンラインでお招きする。 2日目は熊本地震を経験し、民間のパワーで福祉避難所(合理的配慮避難所)の運営に携わった支援者に直接お越しいただく。 講師に当事者、支援者、事業者等の様々な視点からお話しいただくことで、多くの参考、そして気付きに繋がると期待する。 すてっぷ内だけの勉強会とはせず、役所、区内の福祉系事業所にも声を掛け、地域の連携、防災意識向上につなげたい。 今年度から壱番館リノベーションプロジェクト、(第2相談室の隣の喫茶店が空いたことで、1階の全フロアーをリノベーションして活用)が本格的に動きだす。 破格の好条件で賃貸契約を交わすことができ、じっくりと時間をかけて改修に臨めるため、東洋大学の菅原教授の協力を得て、建築やまちづくり関係の学科の学生を巻き込んだコンペを行う予定である。 これによりすてっぷ内だけでは生まれなかった発想にも期待している。このプロジェクトを通じて、今まで以上のつながりが広がるのではないか。 そして何より職員のモチベーションの向上にも効果があるのではないかと期待は大きい。 完成後はすてっぷのイベントのみならず、レンタルスペースとして地域に開放することで、地域とのつながりや、魅力ある企画なども考えていきたい。 魅力ある「場」にすることで、自然と人も集まる地域づくりに一役買うと共に慢性的な人材不足の解消にもつなげたい。 知的障害者支援プロジェクトも立ち上がる。その第一弾として、東大阪市の「自立支援センターぱあとなぁ」のみなさんをお招きし、「ぱあとなあ」が取り組んでこられた強度行動障害のある方々の支援についてお話を伺う。 今年度からすてっぷえどがわと関係の深い「NPO法人せいどうの家」が生活介護事業を開始した。 事業が軌道に乗り経営が安定するまでの間、約1年を目処に当方人のひるかわりょうこを概ね週一のペースでの派遣で応援する。 当方の介護保険併給者も利用可能になるよう、共生型事業所指定取得を目指す。 重度訪問介護サービスなど、訪問系サービスが重要な収入げんではあるが、多少減収になっても、深刻な人材不足と災害時、緊急時等における利用者のリスク分散、および新規事業に取り組んでいくこととも考慮し、他事業所利用との組み合わせ、事業の外注、専門学校とのタイアップによる外国人留学生の受け入れなども試みていく。 江戸川区の地域生活支援拠点部会のメンバーに蛭川と今村が入っている利点を活かし、区内で拠点の連携を丁寧に構築していきたい。 併せて必要な人に必要な支給量がスムーズに支給決定される仕組みや考え方を江戸川区と意見交換しながら一緒に考えていきたい。 全国組織としての対外事業は、じるの今後の動向に大きく左右されると思うが、他のCILとも情報交換しつつ、DPIを軸に検討していきたい。 <活動予定事業> 1.個別支援の継続、ILPの実施 2.すてっぷ防災勉強会(被災当事者、支援者をお招きし開催) 3.壱番館リノベーション 4.イベント、ナクセイバー上演等 ・すてっぷ定例イベント(夏祭り、クリスマス) ・臨時映画上映会「ブックマン・マーク行動の軌跡」&トークショー(実施済み) ・第7回映画上映会(上映映画未定) ・つながりフェスタ(実施済み) ・瑞江商店会イベント(七夕、クリスマス) ・はるえフェス 5.東京演劇集団「風」&ナクセイバーコラボイベント、バリアフリー演劇 6.学校関係、講師依頼 ・区内中学生の職場体験チャレンジザ・ドリーム ・区内小学校出前授業 ・東京福祉専門学校(区内)実習生受入れ ・近隣大学講義 ・インクルーシブな学び東京コンソーシアムによる都立高校授業・近隣大学講義 7.すてっぷえどがわ知的障害児者支援プロジェクト 8.トヨタイーパレット試乗・意見交換会(実施済み) 9.DPI-東大フルインクルーシブ教育協定に基づく東大集中講座の実習受け入れ 10.総括所見を活用した対外事業 ・厚労省:障害者の地域生活支援も踏まえた障害者支援施設の在り方検討会(今村) ・厚労省:地域生活支援拠点等における地域移行を進めるための役割及び緊急時の対応における役割の明確化のための研究(今村) ・国交省:各種検討会、意見交換会、視察等(今村、工藤、土屋) ・エコモ財団:バリアフリーリーダー養成研修、サポートマネージャー研修(土屋) ・環境省:国立公園バリアフリーチェック(今村、工藤) ・内閣府:ともともフェスタ(中曽根) ・東京都:相談支援専門員研修、ピアサポーター養成研修(蛭川) ・江戸川区:地域生活支援拠点部会(蛭川、今村) ・民間:えそうれん(蛭川)、いどうれん(ぬのかわ)、しょうだんれん、風研究会・地域支援ネット(すずね) ■79ページから80ページ タイトル:その他、会員制度「ダンサなくし隊」の紹介「隊員募集!」 イラスト:ダンサナクセイバーピンク、「検索してね」の吹き出し イラスト:ダンサナクセイバームジ、「仲間になろう!」の吹き出し イラスト:お茶の瑞江博士 表タイトル:選べるサポート体制 表:マンスリーサポーター、マンスリーサポーターとは、毎月定額を寄付していただくことで活動をご支援いただくすてっぷえどがわの新会員制度です。 せい会員、賛助会員、毎年定額を寄付していただくことで、活動をご支援いただく会員制度です。 正会員は総会での議決権があり、すてっぷえどがわの運営などにも積極的な関与をご希望されるかたが対象です。 ご寄付、ご都合の良いときに、ご自由な金額、回数でご寄付いただけます。いただいた寄付は、誰もが住みやすいインクルードなまちづくりに活用させていただきます。 すてっぷえどがわでは会員制度をリニューアルし「ダンサなくし隊」としてスタートしました。 そのなかで誰もが住みやすい街を目指したMMIプロジェクト、「瑞江の街を、めちゃめちゃ、インクルーシブな街へ」を行っています。 瑞江のお店に段差を解消するためにスロープを置いたり聴覚障害者等とのコミュニケーションを補助する筆談ボードを置かせてもらったりと、誰もがどんな時でも暮らしやすい街づくりを目指した活動です。 ここ2年程コロナかの影響もあり思うような活動が出来ていませんが、少しずつ通常生活を取り戻してきていますので、すてっぷえどがわの活動を応援して下さる方を募集しています。 詳しくはすてっぷえどがわのホームをチェックしてください。 ■裏表紙 イラスト:真ん中に大きな地球、その地球の左上に三日月、右下に惑星 発行:特定非営利活動法人自立生活センターすてっぷえどがわ 郵便番号:133ー0065 住所:東京都江戸川区南篠崎3-9-7 電話:03-3676-7422 ファックス:03-3676-7425 ウェブ:https://www.step-edogawa.com メール:main@step-edogawa.com 編集:就労継続支援B型事業所トリコローレ 郵便番号:132-0013 住所:東京都江戸川区江戸川2-33-21 電話:03-6638-9308 ウェブ:https://info702911.wixsite.com/tricolore メール:info@tricolore-gp.org